羽田空港の格納庫など施設運営を手掛ける空港施設(8864)は6月29日、新社長に田村滋朗常務が同日開催の定時株主総会で選任されたと発表した。乘田俊明社長の再任が否決されたためで、乘田氏は株主総会後に退任した。田村新社長は空港施設出身で、プロパー(生え抜き)の社長は1970年の設立以来初めてとなり、国土交通省出身の取締役はゼロになった。
新任の取締役は、全日本空輸(ANA/NH)出身でANAホールディングス(ANAHD、9202)参与だった三宅英夫副社長、日本航空(JAL/JL、9201)出身でジャルパック会長だった西尾忠男副社長、日本政策投資銀行(DBJ)出身で空港施設執行役員の久間敬介常務、空港施設の笹岡修氏。代表権は田村社長、三宅副社長、西尾副社長の3氏が持つ。
空港施設の役員人事を巡っては、国交省元事務次官の本田勝氏による介入問題が起こり、今年4月28日には、外部の有識者による独立検証委員会から役員指名方針の策定を提言された。
会社側が5月29日に発表した役員人事案では、JAL出身の乘田氏が引き続き社長を務め、独立委の助言を受けた新体制を固める方針だった。関係者によると、大株主であるJALとANAHDが、社長交代による体制刷新を求めたもようだ。
空港施設は格納庫や事務所、ホテルなどの不動産賃貸業と、空港内の熱供給事業、給排水運営を手掛ける。大株主の持株比率は、JALが19.86%(持株数1052万1000株)、ANAHDが19.85%(1052万1000株)、DBJが13.06%(692万株)、日本マスタートラスト信託銀行が信託口で5.01%(265万4000株)などとなっており、国は大株主として名を連ねていないが、格納庫やオフィスビルなど国有地の使用許可を国交省航空局(JCAB)から取得しており、毎年更新する契約になっている。
1993年に株式を店頭登録し、1995年の東証2部上場を経て1997年に東証1部へ上場した。現在は2022年の東証新市場への再編により、プライム市場に上場している。1970年の設立後、2021年までは国交省OBが同社の社長を代々務めてきた。
6月29以降の役員体制は下記の通り。(役職・氏名の順で敬称略)
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