ボーイングは10月31日、開発中の小型機737 MAXについて、初号機の引き渡し時期を2017年7-9月期に前倒しすると発表した。当初は同年10-12月期を予定していたが、開発が順調なことから前倒しを決めた。来日した同機のマーケティング担当バイス・プレジデント、ジョー・オジメック氏が明らかにした。
737 MAXは、前脚の長さを737-800など既存の737NG(次世代型737)と比べて28インチ(約20センチメートル)伸ばすことで、CFMインターナショナル製エンジン「LEAP-1B」の搭載に対応。オジメック氏は前脚の強度について「非常にしっかりしている」と説明した。前脚を伸ばすことで、駐機時の機体は水平になる。
ボーイングは29日に、737 MAXの燃料効率性が従来の値よりも1%向上し、14%改善すると発表。オジメック氏は、原型となる737が開発された1965年当時は1ガロン当たり3セントと、燃料消費量を気にする必要がなかったと指摘。後部胴体の設計を改善することで、1%向上させたという。
737 MAXは新型ウィングレット「ATウイングレット(アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット)」を搭載するが、737-800など既存機への後付け改修については「考えていない」(オジメック氏)との姿勢を示した。
2クラス構成で162席仕様となる737 MAX 8の最終組立は、15年に開始予定。初号機はローンチカスタマーのサウスウエスト航空(SWA)へ引き渡す。180席仕様(2クラス)の737 MAX 9は18年、126席仕様(同)の737 MAX 7は19年に初号機の引き渡しを予定している。
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ボーイング・ジャパン
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