長崎空港を拠点とするオリエンタルエアブリッジ(ORC/OC)は6月24日、7月から定期便に投入する新機材、仏ATR製ターボプロップ(プロペラ)機ATR42-600型機の初号機(登録記号JA10RC)の客室などを関係者に公開した。長崎離島路線用の機材で、22年前に就航したボンバルディア(現デ・ハビランド・カナダ)DHC-8-Q200型機を更新していく。
*初便の記事はこちら。
—記事の概要—
・Q200から9席増
・初便は長崎→五島福江
Q200から9席増
新機材のATR42は、2001年7月に就航したQ200の後継機。座席数は1クラス48席で、Q200の39席から9席増える。リクライニングする本革シートで、従来よりも足もとにゆとりがあるという。照明はLEDを採用し、従来より座席上の手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)が大きくなる。
化粧室(ラバトリー)内には折りたたみ式の「おむつ交換台」を、日本で導入された同型機では初めて装備。また、離島路線を飛ぶことから、患者を運ぶストレッチャーにも対応している。
機体デザインは「飛翔する海鳥」がコンセプト。五島灘を大きく羽を広げて悠々と飛ぶ海鳥をイメージし、白い機体の前方と後方にラインを配した。新機材導入に合わせ、新しいロゴマークを制定し、「空」「海」「島」をビジュアルイメージとして、空を水色、海を青色、島を緑色で表現した。英文ロゴタイプは「安全安心な高い信頼性を感じさせる企業イメージを表現」するため、安定感のあるボールド系にしたという。
エンジンはプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製PW127Mを2基搭載。エンジン1基あたりのプロペラのブレードがQ200の4枚からATR42は6枚に増えたことで、従来よりも静音性が向上したという。コックピットは、エアバスA380型機の技術を取り入れたグラスコックピットになっている。
ATRはエアバスと伊アレニア・アエルマッキ(現レオナルド)の共同事業体として、1981年に設立されたリージョナル機メーカー。日本市場では、熊本県の天草エアライン(AHX/MZ)がATR機を初導入し、2016年2月20日にATR42-600(1クラス48席)を就航させた。
初便は長崎→五島福江
ORCのATR42は、初号機がフランスのトゥールーズから2022年12月21日に長崎空港へ到着。パイロットや客室乗務員などの訓練に使用されてきた。今年5月には、Q200の整備が発生したことから、急きょ長崎-壱岐線、五島福江線に臨時投入された。
定期便初便は、7月1日の長崎を午後4時35分に出発する五島福江行きOC77便。就航後は長崎-壱岐線、五島福江線、対馬線、福岡-福江線などの離島路線に投入する見通し。
ORCの大人形綱邦社長は「ついに来週7月1日の長崎発五島福江行きで就航する。機種移行には少なくとも約2年かかり、その間はATR42、Q200、福岡を拠点とするQ400(1クラス74席)の3機種を運航することになる。役職員一丸となって、一歩一歩ステージを上がっていきたい」とあいさつした。
*写真は15枚。
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オリエンタルエアブリッジ
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