ボーイングは現地時間6月12日、来週19日に開幕する「第54回パリ航空ショー」で、民間機の飛行展示は小型機737 MAXのうち胴体長が最長の737-10(737 MAX 10)と、次世代大型機777Xを予定していると発表した。サウジアラビアの新会社リヤド航空(RXI/RX)の787-9も地上展示する。
737-10は、737の発展型である737 MAXファミリーの中で胴体長がもっとも長い「最大の737 MAX」で、最大座席数は1クラス230席。昨年ロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーが海外初披露となった。製造国が安全性を認める「型式証明」(TC)の取得には至っておらず、年内に開発完了となるかが注目される。日本の航空会社では、スカイマーク(SKY/BC、9204)が737-10を発注済み。
777の後継機となる開発中の次世代大型機777Xは、メーカー標準座席数が2クラス395席の777-8と、426席の777-9の2機種で構成し、777-9から開発が進められている。2022年1月31日には、777-8をベースとする大型貨物機「777-8 Freighter(フレイター)」の開発が発表された。今回はファンボローと同じく777-9を出展し、飛行展示を披露するほか、777Xの客室を疑似体感できるコーナーも用意する。日本では全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が777-9を18機、777-8Fを2機発注済み。
防衛分野では、CH-47Fチヌーク、AH-64Dアパッチ、P-8Aポセイドン、KC-46Aペガサス、B-1Bランサー、C-17グローブマスター、F-15Eストライクイーグルなどを出展する。
また、ボーイングが出資し、最近単独オーナーになったという米ウィスクエアロ(Wisk Aero)が開発する4人乗りeVTOL(電動垂直離着陸機)の第6世代機を、ウィスクのパビリオンに展示する。eVTOLは日本で「空飛ぶクルマ」と呼ばれているもので、今回のパリ航空ショーはeVTOLに焦点を当てた展示が行われる。ウィスクは日本航空(JAL/JL、9201)と5月に整備管理など制度確立を検討する基本合意書を締結している。
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Boeing
ボーイング・ジャパン
737-10
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Wisk
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