IATA(国際航空運送協会)は現地時間6月6日、航空会社が乱気流のデータを共有・蓄積する「タービュランス・アウェア・プラットフォーム(乱気流覚知プラットフォーム)」に、全日本空輸(ANA/NH)とカナダのウエストジェット(WJA/WS)が新たに参画したと発表した。
タービュランス・アウェアは、乗客乗員の負傷や燃料費増加の主な原因となっている乱気流の影響を航空会社が軽減できるよう、2018年にスタート。参加航空会社が運航する数千のフライトから匿名化された乱気流データを蓄積している。リアルタイムで正確な情報により、パイロットとディスパッチャー(運航管理者)は最適な飛行経路を選択し、乱気流を回避して飛行することで、燃料効率を最大化し、CO2(二酸化炭素)排出量を削減できる。
ANAは、ボーイング737型機からデータ提供を開始し、将来的には他機種にも拡大予定。ウエストジェットは、すでに24機の航空機からデータを取得しており、今後3年間で60機に拡大する計画を進めている。IATAによると、両社の参加により、アジア太平洋と北米のカバー率が高まったという。
タービュランス・アウェアは、デルタ航空(DAL/DL)とユナイテッド航空(UAL/UA)、エアリンガス(EIN/EN)など20社が参加。1900機以上の航空機がデータを毎日提供しており、2022年は3100万件の報告書が作成されたという。
IATAは19日と20日の2日間、カナダのカルガリーにあるウエストジェットの施設でフォーラムを開催する。
関連リンク
Turbulence Aware Platform(IATA)
IATA
全日本空輸
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