ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は6月1日、エアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」の3号機(登録記号JA383A)の整備フライトを40日ぶりに実施した。駐機期間が一定の日数を超えた場合、整備作業内容が拡大することを回避するためのフライトで、乗客は乗せていない。出発から1時間弱で成田空港へ戻った。日本で3号機が飛行するのは6回目となったが、商業運航の予定は決まっていない。
1日は成田発着のNH9421便として午後0時50分すぎに出発し、A滑走路(RWY16R)から午後1時10分に離陸した。太平洋に出て九十九里沖で左旋回後は銚子市に入り、霞ヶ浦の手前で左旋回してA滑走路(RWY16R)へ午後1時38分に着陸し、同48分ごろ戻った。
航空機は飛行しない期間が90日(3カ月)を超えた場合、機体をジャッキアップして主脚などを整備する必要があり、エアバス指定の追加整備を実施することで、4カ月間は飛行しない状態を維持できる。
3号機は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2021年10月16日に成田へ到着してから一度も商業運航に投入されておらず、2022年2月5日に初めて乗客を乗せずに2時間ほど整備フライトを実施した。その後は翌2月6日から数えて98日(3カ月と9日)目の5月14日に2回目、9月7日に3回目、12月27日に4回目、2023年4月22日に5回目のフライトを実施している。
ANAは、A380による成田-ホノルル線(NH184/183便)のデイリー運航を今年4月20日から3年ぶりに再開。7月21日からは運休中のNH182/181便を再開して週14往復(1日2往復)のダブルデイリーに増便し、8月31日までは火曜と金曜、日曜の週3往復にA380を投入することにより、週10往復がA380の運航便になる。
商業運航に投入するなど、資産である3号機を営業活動に使用すると減価償却が始まるため、A380を投入している成田-ホノルル線の需要回復が3号機就航の鍵を握っているといえる。ANAHDの芝田浩二社長は4月27日に、3号機投入の可能性について「確定的なことは申し上げられない」とした上で、ハワイ路線の需要動向によっては今年度内に投入する可能性を示唆している。
コロナ前の計画では、A380の運航がダブルデイリーになる2020年6月1日から3機体制とし、3号機の就航を予定していた。
2019年5月のA380就航に合わせ、ANAはウミガメをモチーフにしたオリジナルキャラクターのラニ(青)、カイ(グリーン)、ラー(オレンジ)を登場させたが、ANAによるとキャラクター名と機体はひも付いておらず、3体の名前は機体の愛称ではないという。
*写真は12枚。
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全日本空輸
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写真特集・ANA A380 3号機ロールアウト
前編 まつげのある3号機、足場もオレンジになった塗装工場
後編 非中東系ラストはサンセットオレンジ
写真特集・ANA A380 FLYING HONUの機内
(1)個室ファーストクラスでプライバシー確保
(2)ペアシートもあるビジネスクラス
(3)2階後方にゆったりプレエコ
(4)カウチシートもあるエコノミー
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・ANA A380 3号機トゥールーズ離陸【JA383A】