スカイマーク(SKY/BC、9204)の洞駿(ほら・はやお)社長は5月15日、自社のウェブサイトで航空券を予約しやすくする「マイページ」を秋以降に稼働させる意向を示した。サイトの利便性を高め、低価格運賃や定時運航率の高さをビジネス客にも訴求すると同時に、既存の多頻度利用者の満足度を高めていく。
大手航空会社のウェブサイトはマイル会員情報を登録すると、航空券をオンライン予約する際に氏名やクレジットカード番号など個人情報の入力が簡略化されるが、スカイマークは他社のマイル制度にあたるものが現在はないため、サイト上で個人情報を管理する機能は法人契約者向けに限られている。
洞社長は「ビジネス客に重要なのは、運航ダイヤの利便性、定時性。一度利用していただければ、当社の良さをわかっていただける」と述べ、「ビジネス客の割合が高い路線はロードファクター(座席利用率)を押し上げている」と、ビジネス客の獲得も今後の成長戦略を描く上で不可欠との認識を示した。洞社長によると、同社の利用者は観光や親族友人訪問がおよそ8割で、出張などのビジネス利用は残り2割にとどまる。
「利便性向上につながるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、予約しやすい“マイページ”のようなものを早急に導入し、秋以降に稼働させる予定。個人データを毎回入力しなくても済むようになり、将来のペーパレス化につなげたい」と語り、ビジネス客や既存の多頻度利用者の満足度を高めていくという。
15日に発表した2023年3月期通期決算(非連結、日本基準)は、純損益が57億2600万円の黒字(前期22年3月期は67億2900万円の赤字)と黒字転換し、事業収益は前期比79.6%増の846億6100万円、営業損益は34億5300万円の黒字(同166億9400万円の赤字)、経常損益は37億1300万円の黒字(同150億7900万円の赤字)となった。期末配当は1株5円。
2024年3月期は、事業収益が2023年3月期比20.8%増の1023億円、営業利益は62.2%増の56億円、経常利益は50.8%増の56億円、純利益は1.3%増の58億円を見込む。また、2025年4-6月期以降にボーイング737-8(737 MAX 8)型機を導入し、2026年度からは超長胴型の737-10(737 MAX 10)も受領する。
スカイマークは2022年12月14日に東京証券取引所グロース市場へ上場。東証には7年9カ月ぶりに再上場を果たした。
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