日本航空(JAL/JL、9201)は5月2日、2023年3月期通期連結決算(IFRS)の最終損益が344億円2300万円の黒字(前期22年3月期は1775億5100万円の赤字)になったと発表した。2020年3月期以来、3期ぶりの黒字となった。需要回復が早かったアジアと北米間の乗り継ぎ需要や、水際対策緩和後のインバウンド(訪日)需要の取り込みが奏功した。また、国内線の大型機を省燃費のエアバスA350-900型機へ計画通り更新したことで、運航コストの抑制につながった。配当は2021年3月期から2期連続で無配だったが、2023年3月期は1株25円の期末配当を予定しており、2024年3月期は中間と期末合わせて年間40円の配当となる見込み。
—記事の概要—
・23年3月期
・24年3月期予想
23年3月期
2023年3月期の売上収益は前期比2.0倍の1兆3755億8900万円、本業のもうけを示すEBIT(利払い・税引き前損益)は645億6300万円の黒字(前期は2394億9800万の赤字)となった。
売上収益のうち、航空事業のFSC(フルサービスキャリア)は1兆1086億円(前期比2.1倍)で、内訳は国際旅客が4175億円(6.1倍)、国内旅客が4511億円(1.9倍)、貨物郵便が2247億円(2.9%増)だった。LCC(低コストキャリア)は317億円(10.9倍)で、傘下2社の旅客収入はZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)が224億4900万円(31.3倍)、スプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)が82億2400万円(4.1倍)となった。
非航空系事業である「マイル・ライフ・インフラ等」は2351億円(55.2%増)となった。
JALの赤坂祐二社長は「3年ぶりの黒字となり、皆さんには数え切れないくらいのご支援をいただいた。ようやくコロナも収束に向かいつつあるので、ご期待に応えていけるようがんばりたい」と謝意を述べた。
営業費用は1兆3446億円(前期比43.0%増)。このうち燃油費は3233億円(2.2倍)、燃油費以外は1兆213億円(28.5%増)だった。
3月末時点の現預金は6392億円。自己資本比率は32.4%で、前期末から1.3ポイント低下した。ハイブリッド・ファイナンスを加味した格付評価上の自己資本比率は39.3%(1.7ポイント低下)だった。
配当は2月2日に期末配当1株20円の復配を発表したが、25円に増配を予定している。
24年3月期予想
2024年3月期通期の連結業績予想は、売上収益1兆6580億円(23年3月期比20.5%増)、EBIT1000億円(54.9%増)、純利益550億円(59.8%増)を見込む。想定為替レートは1ドル135円、燃油はシンガポール・ケロシン1バレル115米ドルとしている。
1株あたりの配当は中間20円、期末20円の年間40円を見込む。
旅客需要は通年で国際線がコロナ前の65%、国内線が94%程度まで回復を見込む。
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