今年度上期で全機退役する日本航空(JAL/JL、9201)のボーイング777-200ER型機が、4月28日からゴールデンウイークの定期便運用に入った。JALは現在3機保有しているが、すでに2機は3月末で運航から離脱し、売却整備に入ったとみられ、最後まで残った3号機(登録記号JA703J)が羽田-札幌(新千歳)、那覇の2路線に1日1往復ずつ投入されている。
当紙の調べでは、3号機の定期便投入は28日から30日、5月2日から7日。5月1日は下地島空港へのチャーター便に使用される。ゴールデンウイーク以降の定期便運航の有無は、まだ確定していないもようだ。
—記事の概要—
・札幌と那覇1往復
・フルフラットのクラスJ
札幌と那覇1往復
2路線の投入便は、札幌線が羽田を午前8時20分に出発する札幌行きJL505便と札幌午前11時発の羽田行きJL506便。那覇線は2日以外が羽田午後1時40分発の那覇行きJL917便と那覇午後5時45分発の羽田行きJL916便、2日のみ羽田午後4時55分発のJL923便と那覇午後8時35分発のJL922便に投入する。
28日は、1便目の札幌行きJL505便が羽田空港の16番スポットから午前8時33分に出発し、札幌には午前10時16分に到着。折り返しの羽田行きJL506便は新千歳空港の12番スポットから午前11時11分に出発して、午後0時48分に到着した。
3便目の那覇行きJL917便は午後2時2分に8番スポットから出発して、午後4時38分に到着。折り返しの羽田行きJL916便は25番スポットから午後5時51分に出発し、午後8時24分に到着し、ゴールデンウイーク投入初日を終えた。
フルフラットのクラスJ
JALの777-200ERは、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-11型機の後継機として、2002年から11機導入した。エンジンはGE製GE90-94Bで、東南アジアやハワイなど中距離国際線を中心に投入されていたが、2021年に国際線の運航から離脱し、5機を国内線に転用した。777-200ERで運航する国内線のうち、往路の飛行時間が3時間を超える最長路線だった羽田-石垣線は、4月2日が最終運航だった。
座席数は2クラス312席で、クラスJが26席、普通席が286席。クラスJのシートは国際線時代にビジネスクラスだった「スカイスイートIII」をそのまま使用しており、国内線でフルフラットシートを体験できる。スカイスイートIIIは、シートを斜めに配置するヘリンボーン配列をJALでは初めて採用した。
2021年に退役済みの国内線機材777-200を含めると、JALの777-200/-200ERはまもなく27年の歴史に幕を下ろす。JALの国内線大型機はエアバスA350-900型機(3クラス369席/391席)に統一される。
また、JALが運航していた777-200ERのうち1機(JA704J→N774LG)は、当紙既報の通り、NASA(米国航空宇宙局)がアームストロング飛行研究センターで飛行実験室として運用しているダグラス(現ボーイング)DC-8-72型機(N817NA)の後継機として導入する計画を進めている。同機はJALの777-200ERでは最初の退役機で、2020年7月1日に羽田から米カリフォルニア州ビクタービルへ向かった。
5月16日には、初号機(JA701J)が売却先の米国へ向かう際、乗客を乗せない「フェリーフライト(回航便)」を活用した本邦初のチャーター便を運航する。
*石垣最終便の搭乗記はこちら。
*写真は16枚(4/28の運航実績は写真下に掲載)。
4/28の運航実績(定刻/実績/スポット)
JL505 羽田(08:20/08:33/16)→札幌(09:55/10:16/12)
JL506 札幌(11:00/11:11/12)→羽田(12:40/12:48/8)
JL917 羽田(13:40/14:02/8)→那覇(16:25/16:38/25)
JL916 那覇(17:45/17:51/25)→羽田(20:05/20:24/15)
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