エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2023年4月18日 16:36 JST

関空にMD-10「空飛ぶ眼科」飛来　希少3発機、オービスが日本親善ツアー

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　「空飛ぶ眼科」と呼ばれる国際NGOオービス・インターナショナルのボーイングMD-10-30型機「フライング・アイ・ホスピタル」（登録記号N330AU）が4月18日、関西空港に到着した。機内に眼科医院が設けられた世界で唯一の航空機で、21日から25日まで日本親善ツアーとして関係者に公開する。

＊機内の様子はこちら。

関空のB滑走路に着陸するオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」＝23年4月18日15時32分 PHOTO: Daigo TAKENOBU/Aviation Wire

　今回飛来したフライング・アイ・ホスピタルは3代目の機体で、米フェデックスの航空貨物子会社フェデックスエクスプレス（FDX/FX）が運航していたMD-10-30F貨物機（N301FE）を改修したもので、日本での公開は初めて。18日はフィリピンのクラーク国際空港から飛来し、関空のB滑走路（RWY24R）に午後3時32分ごろ着陸。M-2スポットへ同41分ごろ到着した。

　オービスはニューヨークを拠点とする眼科医療の国際NGO。失明の予防や治療に取り組む眼科医療の専門家養成を必要とする地域に、トップレベルの研修を提供するため、40年以上にわたり世界95カ国以上で医療プログラムに参加してきた。

関空のM-2スポットへ向かうオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」＝23年4月18日 PHOTO: Daigo TAKENOBU/Aviation Wire

MD-10「フライング・アイ・ホスピタル」の機内（オービス提供）

　機内には手術室、研修室、手術前後のためのケアルーム、VRをはじめとした最新のシミュレーショントレーニング技術をそろえた。日本人を含むオービスの医療専門家は全員がボランティアで、現地の眼科医らに知識やノウハウを伝えている。また、オービスの独自遠隔医療プラットフォーム「Cybersight」により、講義などを世界中の提携病院や研修室に配信する取り組みも進めている。

　MD-10は、マクドネル・ダグラス（現ボーイング）DC-10型機のコックピットをMD-11の仕様に改修したもの。従来はパイロット2人と航空機関士1人による3人が必要だったが、MD-11と同じくパイロット2人で運航できるようになった。機材更新に伴い、フェデックスのMD-10Fは2022年末で全機が退役済み。

　エンジンが3基ある「3発機」のひとつだが、世界的に3発機は退役が進んでおり、関空でも目にする機会が減っている。

＊写真特集はこちら。
＊写真は10枚（提供写真除く）。