ボーイングは現地時間4月13日、737 MAXの納入を一部停止したと発表した。サプライヤーの米スピリット・エアロシステムズから供給された部品の一部に問題があることが判明したという。一方、運航の安全性に影響はないとしている。
ロイター通信やブルームバーグなどの現地報道によると、後部胴体と垂直尾翼を結合するスピリット製の2つの金具が、ボーイングへ納品される前に胴体の構造部材に正しく取り付けられていなかったことが判明。737-8(737 MAX 8)、737-8の座席数をLCC向けに増やした737-8-200(737 MAX 200)、737-7(737 MAX 7)、737-800を母体とするP-8A哨戒機に影響するという。737-9(737 MAX 9)は他社の金具を使用しており、不具合の対象外だった。
一方で、不具合は4年前の2019年に製造された機体まで及ぶ可能性が指摘されており、ボーイングは対象機数を調べている。製造中や引き渡し待ちの機体にも影響が及ぶ可能性がある。
737 MAXは、2018年10月と2019年3月の合わせて二度の墜落事故を起こし、2020年11月にFAA(米国連邦航空局)が引き渡し再開や運航再開を承認。生産レートを今年6月までに31機から38機に引き上げる目標を掲げていた。
日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)、スカイマーク(SKY/BC、9204)、日本航空(JAL/JL、9201)の3社が発注済み。ANAHDが2022年7月に737-8を最大30機(確定発注20機、オプション10機)、スカイマークが今年1月に737-8と737-10を最大12機(確定発注:2機ずつ計4機、オプション:1機ずつ計2機、リース:737-8を6機)、JALが3月に737-8を21機すべてを確定発注した。
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