日本航空(JAL/JL、9201)は、有楽町の東京国際フォーラムで開催されている「第7回サステナブル・ブランド国際会議」に出展している。2月14日と15日の2日間で、初日は高校生や大学生の姿も見られた。
JALのブースには、国際線エコノミークラスの機内食で使用しているメインディッシュ用の紙製容器やフタ、日本では初めてCO2(二酸化炭素)排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を実現した2022年11月の「サステナブルチャーターフライト」の工夫ポイントをまとめた資料などが展示されていた。
紙製容器は1月10日から導入を始めており、今年秋ごろにはすべての対象路線へ展開できる見通しで、2022年8月からは紙製トレーマットを導入済み。2019年度実績比でメインディッシュ用の容器とフタで年間約150トン、トレーマットで約25トンの計175トン相当の使い捨てプラスチック削減を目指す。
担当するESG推進部の西岡桃子主任は「環境に対して問題意識の高い学生さんが多いですね」と、学生たちが積極的に質問してくる様子を喜んでいた。環境問題というと、航空会社では低燃費・低騒音の新鋭機導入といった部分に注目が集まりがちだが、紙製容器などを展示することで「こういうのもサステナビリティなんだ、ということを知っていただければと思います」と、根気強く地道にやっていくという。
サステナブルチャーターでは、省燃費機材のエアバスA350-900型機(登録記号JA03XJ)を使用し、代替航空燃料「SAF(持続可能な航空燃料)」やカーボンオフセットを活用し、運航方法を工夫するなどでカーボンニュートラルを実現した。西岡さんは「サステナブルチャーターを機に社内でも機運が高まったと感じますね」と話す。
JALは今年の初日の出フライトもCO2排出量ゼロで実施しており、サステナブルチャーターで得たノウハウを今後のチャーターにも生かしていく。
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日本航空
第7回サステナブル・ブランド国際会議 2023
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