米国防総省は東部時間2月12日午後(日本時間13日午前)、中西部にあるミシガン州ヒューロン湖上空の高度約2万フィート(約6000メートル)を飛行する空中物体をF-16戦闘機がAIM-9X「サイドワインダー」ミサイルで撃墜したと発表した。経路と高度から、民間機の飛行に危険性が懸念されるとして、バイデン大統領が指示した。
米国とカナダが共同運営する「NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)」は、12日朝に物体を探知し、目視とレーダーによる追跡を続けていた。国防総省の機密施設の近くを飛行していたという。
東部時間12日午後2時42分(日本時間13日午前4時42分)に撃墜し、地上の民間人への影響はなかった。破片の回収の可能性を高めて実施したとしている。
国防総省は軍事的脅威ではなかったものの、民間航空機を含む安全な飛行の危険性と潜在的な監視能力による脅威であると評価した。物体を回収し、さらに詳しい情報を得るという。
中国の偵察気球を含むと、“物体”と呼ぶものを撃墜したのは今月に入り4回目。4日にサウスカロライナ州沖で中国の偵察気球を、10日(日本時間11日)にアラスカ上空で所有者不明の物体を、11日(同12日)にカナダ領空を侵犯した未確認物体を、それぞれ撃墜している。これまではアラスカ州エルメンドルフ・リチャードソン統合基地のF-22戦闘機が撃墜していたが、今回はF-16が担った。
関連リンク
U.S. Department of Defense
U.S. Air Force
・カナダ領空侵犯の物体、F-22が撃墜 トルドー首相が発表(23年2月12日)
・米空軍のF-22、アラスカ上空で”物体”撃墜 NSC「誰のものかわからない」大統領が命令(23年2月11日)
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