日本航空(JAL/JL、9201)は1月31日、エアバスの大型機A350-1000型機を10月29日開始の冬ダイヤから国際線に投入すると正式発表した(関連記事)。羽田-ニューヨーク線が最初の投入路線となる。A350-1000は現行のボーイング777-300ER型機の後継となる長距離国際線機材で、省燃費機材に更新することで、CO2(二酸化炭素)排出量削減を加速させる。JALが国際線のフラッグシップを刷新するのは約20年ぶり。
A350-1000では客室仕様も刷新する。詳細は今後発表する。また同機の就航に先駆け、羽田空港とニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)を機能強化する。
羽田空港では、今春をめどに国際線サクララウンジを拡張する。拡張部は約380席で、2019年10月にリニューアルした既存のサクララウンジ(403席)と合わせると席数は2倍の約780席に拡大する。
JFKでは、5月28日から乗り入れるターミナルを変更。従来のターミナル1から、ターミナル8(T8)へ移る。T8は太平洋路線で共同事業(JV)を展開するアメリカン航空(AAL/AA)が利用しており、米国内や中南米へ向かうアメリカン航空便への乗り継ぎ時間短縮を図る。
A350-1000は、2機種で構成するA350 XWBファミリーの長胴型。全長は73.79メートルで、標準型であるA350-900の66.8メートルより約7メートル長い。座席数はメーカー標準仕様で3クラス350-410席と、A350-900の300-350席より50-60席程度多く、航続距離は8700海里(1万6112キロ)、最大離陸重量は319トンとなる。
JALは777の後継機として、2013年10月7日にA350を発注したと発表。標準型のA350-900を18機、長胴型のA350-1000を13機の計31機を確定発注し、オプション(仮発注)で25機購入する契約を締結した。国内線機材のA350-900は2019年9月1日に就航しており、16号機(登録記号JA16XJ)まで受領している。
17機目はA350-1000の初号機(JA01WJ)となる。2023年度は2機受領し、現在の中期経営計画の最終年度となる2025年度末には9機体制を構築。2028年度ごろまでに残り4機を受領する見通しで、現行の777-300ERを順次退役させる。
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