デルタ航空(DAL)は現地時間9月30日、1万1000人の運航乗務員にマイクロソフトのタブレット端末「サーフェス 2(Surface 2)」を支給すると発表した。航路図やマニュアル類が入った「エレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)」として使用する。重量削減などの結果、年間1300万ドル(約12億8000万円)の燃料や関連コストを削減できる。
年内にボーイング757型機と767型機の運航乗務員に支給し、2014年末までに全機種へ拡大。コックピットのペーパレス化を進める。
サーフェス 2はOSにWindows RT 8.1を搭載。EFBはJeppesen社がWindows用に開発した「FliteDeck Pro」を採用した。運航乗務員が航路や参考資料、各種チェックリストなど、運航に必要なツールや最新情報に簡単にアクセスできる。
コックピットがペーパーレス化されると、運航乗務員一人あたり既存のフライトバッグの重さ約17キログラムを減らすことができ、年間で推定120万ガロンの燃料、二酸化炭素(CO2)排出量では2600万ポンドの削減につながるという。これは乗用車2300台が1年間に排出するCO2をゼロにするのと同じ効果があるとしている。
DALでは、今後数年間でEFBの機能を拡張し、運航管理情報の電子化や気象予報データへのリアルタイム・アクセス、地上にいる整備担当者と直接連絡できるようにするなど、運航効率を高める計画を進める。
コックピットのペーパーレス化は、客室乗務員向けにWindows Phone 8を搭載したノキアのスマートフォン1万9000台導入に続くもの。