ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は12月1日、創立70周年を迎えた。10年前の60周年の際は羽田空港で歴代制服のファッションショーや特別塗装機のデザイン発表などのイベントが開かれたが、人間の古希にあたる今回はセールなどを除くと大きなイベントもなく、例年通りの師走を迎えた。
ANAの前身となる日本ヘリコプター輸送(日ペリ)は、終戦から7年が過ぎた1952(昭和27)年12月27日創立。1957年12月1日に社名を全日本空輸に変更した。その後、2013年4月1日に持株会社制へ移行し、持株会社のANAホールディングス(ANAHD、9202)に社名を変更するとともに、事業会社としての全日本空輸が新たにスタートした。
2年前の2020年6月30日には、創業時のヘリコプター「ベル 47D-1」の2号機(登録記号JA7008)を当時東京・下丸子にあった教育・研修施設「ANAトレーニング&エデュケーションセンター(ANATEC)」から、2019年4月に運用を開始した羽田空港近くの総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB、ANAブルーベース)」へ移設。安全や創業時の象徴として展示を続けている。ANATECは2020年8月31日に閉鎖され、跡地は売却された。
日ペリは創業当時、ベル・エアクラフト(当時)から2機のヘリコプター「47D-1」(JA7007、7008)を購入。企業の宣伝飛行や遊覧飛行、NHKの空撮などを行った。ANA便にはIATA(国際航空運送協会)の2レターコードで「NH」が付くが、日本ヘリコプター輸送が由来だ。
10年前の創立60周年では、羽田空港国際線ターミナル(現第3ターミナル)で歴代制服のファッションショーを行い、60周年記念の特別塗装機「ゆめジェット~You&Me~」(ボーイング767-300型機、JA8674、13年2月23日就航)のデザインが発表された。
客室乗務員は初代から現行の1世代前で、当時現行だった9代目までがすべて揃った。地上係員(グランドスタッフ)の制服は、歴代制服のうち1972年から78年と90年から2004年、05年から当時現行の3種類が、整備士と運航乗務員は初代から当時現行までの全3代が登場した。ANAはその後、2015年2月1日に客室乗務員と地上係員の制服を現行の10代目、7代目に刷新した。
今回の70周年では、国内線を片道7000円で販売するなどのセールを11月29日から12月1日までの3日間実施した。
*写真は10枚。
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