フィンエアー(FIN/AY)は6路線ある日本路線について、当面は1日1往復のヘルシンキ-羽田線と、週2往復のヘルシンキ-成田線の2路線のみを運航する意向を示した。ロシアのウクライナ侵攻に伴いロシア領空が閉鎖されていることが影響し、飛行時間が従来よりも多くかかっていることによるもので、領空が閉鎖されている間は東京(羽田・成田)のみ週9往復を継続する見通し。
—記事の概要—
・日本は週9往復が最大限
・成田は週2往復で路線維持
日本は週9往復が最大限
同社の日本路線は6路線で、成田線のほか、冬ダイヤ初日の現地時間10月30日に開設した羽田線を運航している。当初はヘルシンキ-中部線を今年5月に、札幌(新千歳)線と福岡を7月の再開を計画していたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響により再開を延期。ロシア領空の閉鎖前までは運航していた関西線も、冬ダイヤ最終日の2023年3月25日まで運休期間を延長している。
11月1日に東京・広尾のフィンランド大使館で会見した、フィンエアーのマーケットマネジメント担当バイスプレジデントのミッコ・トゥルティアイネン氏は現在の便数について「営業サイドからすると、もっと飛ばしたい」とした上で、「市場環境や世界情勢などを考慮し、運航計画を立てている。現在の東京9往復は、ベストな便数だと考えている」との認識を示した。
日本路線はロシア領空の閉鎖が影響し、ロシアを迂回(うかい)する飛行ルートを選択している。日本発は北極回りで、日本着は中央アジア上空を飛行する「南回り」で運航している。トゥルティアイネン氏はロシア領空を迂回することにより、飛行時間が40%近く多くかかる現状を説明。またスケジュール調整で日本での駐機時間も多くかかり、機材も2機分必要になるという。「現時点では、週9往復が日本市場に提供できる最大限の便数だ」と述べ、運航再開や増便に慎重な姿勢をみせた。
成田は週2往復で路線維持
フィンエアーは10月29日に終了した夏ダイヤで、ヘルシンキ-成田線を1日1往復運航していた。当初計画では冬ダイヤからの羽田への乗り入れ後は、成田線を期間運休するとしていた。その後、成田線の期間運休を取りやめ、冬ダイヤでは減便するものの週2往復運航し、路線を維持すると発表した。
成田線の期間運休を取りやめたことについて、トゥルティアイネン氏は「成田は過去に最大で1日2往復(週14往復)運航してた実績がある。じゅうぶんにやっていけると判断し、2往復残した」と説明した。成田では旅客需要に加え、旺盛な貨物需要の取り込みを強化する狙いもあるとみられる。
トゥルティアイネン氏は羽田空港について、都心に近く、共同事業(JV)を展開する日本航空(JAL/JL、9201)の国内線ネットワークを活用し、日本全国から乗り継ぎ需要を期待できると評価。日本就航40周年を来年に控え、初便が成田線だったことから「成田はフィンエアーにとって強い意味を持つ空港」との認識を示した。
フィンエアーの永原範昭日本支社長は「羽田と成田の2カ所へ飛ばすことで、関東広域からの需要獲得を目指す」と述べ、羽田発着のJALの国内線も活用し、全国からの需要を掘り起こす姿勢を示した。
同社は1983年4月22日に、ヘルシンキ-成田線を週1往復で開設。2023年に日本就航40周年を迎える。
冬ダイヤの運航スケジュール
ヘルシンキ-羽田
AY61 ヘルシンキ(17:55)→羽田(翌日14:25)運航日:毎日
AY62 羽田(21:55)→ヘルシンキ(翌日04:25)運航日:毎日
ヘルシンキ-成田
AY73 ヘルシンキ(17:45)→成田(翌日14:15)運航日:木土
AY74 成田(23:05)→ヘルシンキ(翌日05:35)運航日:金日
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