航空自衛隊美保基地のC-2輸送機が、ラオスのワットタイ国際空港を目的地とする国外運航訓練を10月19日から20日まで実施する。東南アジア方面の航空路などの地域特性を把握し、運航要員の国外任務遂行能力を維持・向上させ、在外邦人などの輸送、国際平和協力活動などの運航に対応できる態勢を確保するため。
訓練に参加するのは第3輸送航空隊所属のC-2が1機と人員約20人。同隊は2019年に開催されたパリ航空ショーにも初参加した。
C-2は川崎重工業(7012)が海上自衛隊のP-1哨戒機とともに開発と製造を手掛け、機体全体の約7割が国産。全長43.9メートル、全幅44.4メートル、全高14.2メートルで、最大積載量はこれまでのC-1輸送機の約3.8倍となる約30トン、最大離陸重量は同3.1倍の141トンとなり、国産の航空機では最大の大きさとなる。
高さ4メートルの貨物室を確保するため、胴体上に主翼を乗せる高翼構造を採用。胴体後部に車両や中型ヘリコプターのUH-60Jなどを搭降載する大型ドアを設けるため、水平尾翼を垂直尾翼上部に乗せたT字翼とした。
この貨物室の構造により、日本の道路を通行できる高さの車両は、貨物室の長さと幅に収まれば、大型セミトレーラーも自走して搭載できる。
航続距離は、12トン搭載時でハワイまで飛べる約6500キロで、2.6トン搭載時に1700キロだったC-1よりも大幅に伸びた。胴体前方上部には、フライングブーム型の空中受油装置を設けた。
美保基地には2017年3月に配備された。
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美保基地
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