全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)は、国際線の予約動向を発表した。9月7日から3回目のワクチン接種を済ませていれば、日本へ入国時にPCR検査の陰性証明書の提出が不要になり、10月11日からは入国者数の上限撤廃や外国人の個人旅行解禁など水際対策のさらなる緩和が進むことで、国際線の旅客需要の復調が鮮明になってきた。
JALは22日、10月搭乗分の国際線予約動向を発表。水際対策緩和翌日の9月8日から14日の週に入った予約は、その2週間前にあたる8月25日から8月31日の週と比べ、日本発は約1.6倍、海外発は1.5倍に増えているという。
ANAは23日、10月から2023年1月までの国際線予約動向を発表。10月搭乗分は8月9日から15日までと9月15日から21日までの7日間平均を比較した場合、1日あたりの予約数は日本発が4倍、海外発は3倍に増え、12-1月分は9月5日から11日までと9月15日から21日の7日間平均を比較した場合、1日あたりの予約数は日本発が1.5倍、海外発は2倍に増加したという。
両社ともアジアと北米などを結ぶ3国間流動を除いた予約数となる。11日からはG7(先進7カ国)ではコロナ対策として日本が唯一実施している1日あたりの入国者数の上限を撤廃するほか、海外で主流の個人旅行解禁と短期訪日時のビザ免除も実施する。円安が進行していることもあり、水際対策の追加緩和によるインバウンドの増加が期待される。
水際対策
・コロナ水際対策、10/11から追加緩和 新GoTo「全国旅行割」も(22年9月23日)
・政府の水際対策、10月以降さらに緩和へ 岸田首相が意向(22年9月22日)
・水際緩和、入国は早くなったのか バンコク→羽田で検証(22年9月15日)
・入国時の陰性証明不要に、水際緩和スタート JAL国際線は予約順調(22年9月7日)
・入国者数、5万人に9/7引き上げ 添乗員なしツアー可に(22年8月31日)
・入国時の陰性証明、ワクチン3回目接種で免除 9/7から(22年8月25日)
・短期の海外渡航、国内の陰性証明も有効 厚労省が見直し(22年8月15日)
IATA
・IATAウォルシュ事務総長、日本の入国制限「科学に基づいたものではない」緩和求める(22年6月22日)
本邦航空会社
・ピーチ森CEO「飛ぶ意思表示しないと動いてくれない」高収益路線に注力(22年8月29日)
・ピーチ森CEO「訪日客のビザ見直しを」訪日回復で課題(22年7月29日)
・ANA、7月は単月黒字に 芝田HD社長「入国規制G7並みに緩和を」(22年7月7日)
・JALレゲット氏に聞く国際線戦略 特集・IATA第78回AGM 日系航空会社インタビュー(前編)(22年6月29日)