ノースロップ・グラマンは現地時間9月21日、米空軍とステルス戦略爆撃機B-21「Raider(レイダー)」のデータ権利契約を締結したと発表した。業界初の取り組みで、B-21の仮想空間上の複製「デジタルツイン」を共有する環境の立ち上げや、迅速な能力向上につながるデータへのアクセスを認めたり、協業を進める。
開発中のB-21は第6世代機で、12月第1週にカリフォルニア州パームデールの同社施設でロールアウト(お披露目)する。現在は地上試験の段階で、機体の能力向上やサブシステムの試験、コーティングと塗装などを行う。次のステップでは、エンジン始動、低速・高速走行試験などを経て、2023年に初飛行する見通し。
ノースロップ・グラマンは、B-21を「真のデジタルネイティブ機」と表現。今年初めには、同社と米空軍がB-21の地上システムデータをクラウド環境へ移行する実証実験を行っており、地上システムの設置面積を主要な作戦基地や配備先で大幅に削減できるという。
B-21は、退役が見込まれている米空軍のB-1とB-2を置き換え、1955年から運用しているB-52と併用する形で導入を始め、順次更新する見通し。ノースロップ・グラマンは2015年に契約を締結し、米空軍は少なくとも100機を調達する見込みで、200機近くなる可能性がある。
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U.S. Air Force
Northrop Grumman
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