2年前の2020年12月4日に、日本航空(JAL/JL、9201)の那覇発羽田行きJL904便(ボーイング777-200型機、登録記号JA8978)で起きた左エンジン損傷について、国の運輸安全委員会(JTSB)は8月25日、調査報告書を公表した。エンジン損傷の原因となったファンブレードの破断が、ファンブレード製造時に付着した小さな粒状の塊が起点となって亀裂が発生した可能性があり、エンジンメーカーが実施する非破壊検査の方法や検査間隔が不十分だったとした。
これを受け、エンジン製造元の米プラット&ホイットニー(PW)は、検査間隔を短縮し、追加の定期検査を実施。機体製造元の米ボーイングは、ファンブレード破断時にエンジンのカウリング類の保護を強化する改修を実施した。
—記事の概要—
・ファンブレードが破断
・疲労破壊の原因
・再発防止策
ファンブレードが破断
当該機は、PW製エンジンPW4000シリーズのPW4074を左右に1基ずつ計2基搭載。那覇空港へ戻った後の検査で、左エンジン(第1エンジン)に22枚あるファンブレードのうち2枚が破断していた。
左エンジンが損傷したJL904便は、2020年12月4日午前11時30分に那覇を出発し、羽田には午後1時40分に到着予定だった。同便は定刻より4分遅れの午前11時34分に出発して同44分に離陸したが、那覇空港の北約100キロを飛行中に左エンジンの不具合が見つかり、同53分に緊急着陸を宣言。午後0時23分に那覇のB滑走路へ着陸し、午後1時26分に到着した。乗客178人(幼児3人含む)と乗員11人の計189人が搭乗していたが、けがはなかった。国土交通省航空局(JCAB)は同日、航空事故につながりかねない「重大インシデント」に認定した。
報告書によると、2枚のうち16番ブレードは根元付近から、15番ブレードが中ほどから破損していた。16番の破面には、疲労破壊の
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