日本航空(JAL/JL、9201)傘下のZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)は7月25日、生理用品などを手掛けるBe-A Japan(ベアジャパン、渋谷区)と小中学生を対象にした「未来キャリアセミナー」を開き、ZIPAIRのボーイング787-8型機(登録記号JA824J)の機内で小中学生が航空会社の仕事を体験した。
両社は商品開発協力や女性活躍推進を目指し、2021年12月に業務提携契約を締結。今回のセミナーは小学5年生から中学1年生までの親子連れ10組20人が参加し、生理と向き合いながら働く女性の客室乗務員(CA)らが中心となり、自身の体調変化との向き合い方や、仕事への取り組み方などを787の機内で話した。子供たちは本物の制服を着用し、機内食提供や機内アナウンスなどを体験した。
機内ではZIPAIRのCA、JALグループの整備会社であるJALエンジニアリング(JALEC)の整備士、グランドハンドリング(地上支援)業務を担うJALグランドサービス(JGS)のグラハンスタッフ、機内食を手掛けるジャルロイヤルケータリング(JRC)のスタッフが仕事内容を紹介すると共に、生理になった際にどう対処しているかといった体験談を子供たちに話した。
ZIPAIRのCAは、地上係員(グランドスタッフ)も兼務している。機内であれば身の回り品と一緒に生理用品を置いておけるが、空港内のあちこちで仕事をする地上係員として業務する際はポケットに詰め込むなどの苦労があるという。いずれの職種も、長時間持ち場を離れられないなど、すぐに対処しにくいことや、職種によってはまだ女性が少なく、徐々に周囲の理解が進みつつあるといった話題が出た。
「仕事と生理は切っても切れないもの」と語るベアの高橋くみCEO(最高経営責任者)は、これまで生理の話は人前でするものではない、という雰囲気であったものの、女性特有の悩みを男性にも理解してもらったり、子供のころから正しい知識を身につけてもらおうと、生理期間中に体調がどのように変化するかや、個人差があることを高校生向けや百貨店での親子セミナーで説明してきたという。
ZIPAIRの西田真吾社長は「今まではパイロットは男性、CAは女性というイメージだったが、本人の能力で自分らしく働ける会社を目指している」と子供たちに語った。機内販売では、ベアの吸水性ショーツを2年前から扱っていることもあり、社員の仕事を知ってもらう意味でもセミナーを共催したという。また、コロナの影響で2020年の就航からこれまで利用者向けの対面イベントを開催できなかったこともあり、夏休みに開くことになった。
今回のセミナーは、ベアからの呼びかけで共催した。6月から企画に携わったZIPAIRのCAの杉本由紀さんは「CAは女性しかできないというイメージを払拭したかった」と話し、2人の男性CAにも参加してもらったという。JALグループの他社からも女性社員の参加を呼びかけたのは、「色々な仕事の人に支えられていることを知って欲しかった」と話した。
*写真は12枚。
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ZIPAIR
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機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
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写真特集・ZIPAIR 787-8の機内
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