ボーイングは、現地時間7月18日からロンドン近郊で開かれるファンボロー航空ショーで、小型機737 MAXのうち胴体長が最長の737-10(737 MAX 10)を海外初披露し、飛行展示を実施する。17日は一部の報道関係者に機体を公開した。ファンボローでは次世代大型機777Xも展示し、地上展示に加えて飛行展示も披露する。
737-10は、737の発展型である737 MAXファミリーの中で胴体長がもっとも長い「最大の737 MAX」で、メーカー標準座席数は1クラス230席。2017年6月に開かれたパリ航空ショーでローンチ。これまでもっとも大きかった737-9(737 MAX 9、同220席)の胴体を66インチ(約1.7メートル)延長して、定員増加によりドアを追加し、翼や圧力隔壁なども改良した。
ファンボロー航空ショーの会場には、737-10の飛行試験2号機(登録記号N27752)が展示される。これまでの737 MAXと同様、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用。翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備え、客室内装はLED照明や大型の手荷物収納棚など、787と同等のものを取り入れた「ボーイング・スカイ・インテリア」を採用する。就航は2023年を目指している。
737 MAXの基準となる標準型は、737-800の後継となる2016年1月に初飛行した737-8(同189席)で、もっとも胴体が短い機体が737-700の後継機737-7(同172席)。737-8の座席数をLCC向けに増やした737-8-200(737 MAX 200、同210席)もそろえる。胴体長は、737-7が35.56メートル、737-8が39.52メートル、737-9が42.16メートルで、737-10は43.8メートルと、もっとも短い737-7と比べて8メートル以上長い。
二度の墜落事故を起こした737 MAXは、2020年11月にFAA(米国連邦航空局)が引き渡し再開や運航再開を承認。現時点で世界46社の航空会社が運航を再開している。従来の737NG(次世代737)と比べ、737-10はCO2(二酸化炭素)排出量を14%削減し、騒音も50%軽減するとしている。
一方、777の後継機となる777Xは、メーカー標準座席数が2クラス384席の777-8と、426席の777-9の2機種で構成し、777-9から開発が進められている。今年1月31日には、777-8をベースとする大型貨物機「777-8 Freighter(フレイター)」の開発が発表された。
*737-10の飛行展示はこちら。
*写真は19枚(737-10→777Xの順)。
関連リンク
Farnborough International Airshow
Boeing
ボーイング・ジャパン
737-10の飛行展示
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737-10(737 MAX 10)
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