機体 — 2022年7月14日 23:03 JST

IHI、重量物運搬と長時間飛行両立するドローン試作機 ロータリーエンジンとモーターで

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 IHI(7013)グループのIHIエアロスペースは、ガソリンロータリーエンジンと電気モーターによるハイブリッドドローン「i-Gryphon」の試作2号機を7月20日から東京ビッグサイトで開かれる「第8回国際ドローン展」に初出展する。マルチコプター型ドローンで、重量物の運搬と長時間飛行の両立を目指している。

i-Gryphon試作2号機(IHI提供)

 eコマース(電子商取引)の拡大や、日本の少子高齢化による物流業界の人手不足に対し、バッテリーで飛行するドローンは省人化や無人化の切り札として期待されている。一方、バッテリー性能の限界で滞空時間を延ばせず、30kg程度の荷物を積むと飛行時間が5分から10分程度となってしまい、近距離輸送向けに留まっている。IHIはガソリンで動くロータリーエンジンを併用することで、36kgの搭載物と11kgの燃料を積んで約50分飛行できるようにした。

 また、円筒形のダクトの中にプロペラ状のローターファンを設置する「ダクテッドファン」を採用し、安全性を向上させた。可搬重量を確保するため、ドローンに大型ローターを搭載した場合、直径が大きくなるとローターのガードを取り付けられないことから、同じ推力を小さな直径で達成できるダクテッドファンを採用した。

 試作2号機の大きさは全長3180mm、全幅3180mm、全高1200mmで、重量は102kg。最大ペイロードは47kgで、航続距離は50km、耐風性能は14m/s、巡航速度は60km/h、ホバリング限界高度は3000mとなり、IPX4の防滴性を持つ。エンジンはツインロータリーで、排気量は600cc。

 国際ドローン展は事前登録制で20日から22日まで。時間は午前10時から午後5時まで。

関連リンク
IHIエアロスペース
i Gryphon 20201216(YouTube)
国際ドローン展

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