ピーチ・アビエーション(APJ/MM)の森健明CEO(最高経営責任者)は7月7日、同社の最新機材エアバスA321LRを今年度内に国際線へ投入すると発表した。新事業となる中距離国際線に投入する機材としてコロナ前に発注し、2021年12月に国内線へ就航させたが、国際線を8月から再開するに当たり、前倒しを決めた。
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ピーチはA321LRを3機導入予定で、2機を受領済み。森CEOは「今年度内に3機がそろう。国際線の需要が本格的に回復するであろう、来年度以降の国際線投入を考えていたが、昨今の各国の入国規制緩和や旺盛な国際線需要を踏まえ、この機材を早期に国際線に投入する準備を進めている」と前倒しする狙いを説明した。国際線の投入時期や路線は決まり次第発表するという。
A321LRはA320neoの胴体を約6.9メートル伸ばしたA321neoの航続距離延長型で、LRは「Long Range(ロングレンジ)」の略。ピーチはコロナ前の2018年7月に導入を発表した。座席数は1クラス218席で、既存のA320ceo(従来型A320、1クラス180席)や、発展型で2020年10月に就航した低燃費・低騒音の新型エンジンを搭載するA320neo(1クラス188席)よりも多くの乗客を運べる。燃料タンクを追加したことで、航続距離はA320neoの6300キロよりも1100キロ長い7400キロとなる。
シートはレカロ製BL3710で、シートピッチはフルサービス航空会社(FSC)の国内線機材と同等の30-31インチ(約76-78センチ)で、従来の28インチよりも広くなった。また、各席には充電用USB端子を備えている。
新事業領域の中距離国際線を念頭に置き、航続距離の長さが特徴のA321LRだが、新型コロナの影響で国際線の運休が続いていることから、初号機(登録記号JA902P)は2021年12月28日から国内線に投入している。
発注時の計画では、2号機となったJA901Pが最初に引き渡される予定だった。コロナの影響で機材の受領時期を見直したことで、本来は2機目になるはずのJA902Pが先に納入され、JA901Pは5月29日に拠点の関西空港へ到着し、6月7日に就航した。
ピーチは関西-ソウル(仁川)線を8月28日に再開予定。国際線の運航は1年4カ月ぶり、ソウル線は2年半ぶりとなる。
関連リンク
ピーチ・アビエーション
初便の様子
・ピーチ、A321LRで関西-バンコク就航 座席間隔広め、初の中距離国際線(22年12月27日)
2号機JA901P
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・ピーチ、A321LR 2号機が関空到着 ハンブルクからデリー経由(22年5月29日)
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・【足もと広々】ピーチA321LR JA901Pの機内【4K】
初号機JA902P
・ピーチ、A321LRの客室公開 新シートでUSB充電対応、ピッチも広く(22年1月19日)
・ピーチ、A321LR就航 初便は関空発仙台行き、国内初導入(21年12月28日)
・ピーチ、A321LRが関空到着 国内初導入、1月に就航前倒し(21年12月20日)
ソウル線8/28再開
・ピーチ、関空-ソウル8/28再開 変則週6往復、国際線1年4カ月ぶり(22年6月28日)