新潟空港で8月5日午後7時41分ごろ、仁川発の大韓航空(KAL)KE763便(ボーイング737-900型機、登録番号HL7599、乗員乗客115人)が着陸時に滑走路をオーバーランした事故で、運輸安全委員会(JTSB)は8月28日、ブレーキ圧力が一時ほぼゼロだったことを明らかにした。機体に損傷はなく、不具合は確認されなかった。
JTSBがフライトレコーダー(DFDR)を解析した結果、事故機は滑走路(10)にほぼ規定速度で進入し、通常の接地点付近に接地。スポイラー展開後に自動ブレーキが作動し、逆噴射させたエンジンの出力が接地から約20秒後に絞られた。その後スポイラーの格納と自動ブレーキの解除が行われると、ブレーキ圧力がほぼゼロの状態が5、6秒間続いた。
DFDRの記録では、接地から約37秒後にブレーキ圧力が急激に上昇しており、運航乗務員が急ブレーキを掛けて機体を停止させたとみられる。機体停止は、接地から約45秒後だった。
滑走路のタイヤ痕は、滑走路端の約160メートル手前から残されていた。また、当時の路面状態は乾いていた。この事故により、滑走路の進入灯3つと過走帯灯1つの計4つの灯器が損傷した。
JTSBでは今後、DFDRやボイスレコーダーの音声などの解析を続けるほか、着陸手順などマニュアルの調査、管制交信記録などの情報収集を行い、操縦ミスの可能性も含めて調査を行っていく。