夏休みも都内などではあと1週間ほどとなった。最近、夏休みの宿題として将来目指したい職業について調べる課題を出す中学校や高校が増えており、日本航空(JAL、9201)でも夏休みは問い合わせが多いという。
こうした声を受けて同社は8月20日、中学生と高校生を対象とした「JALお仕事インタビューの日」を開催。現役のパイロットや客室乗務員、整備士、空港係員が、生徒たちの質問に答えた。イベントは午前と午後の部の2回に分けて開かれ、会場となった都内のJAL本社には、合計50人が集まった。
インタビューはグループ形式で行われ、JALの社員が仕事内容を説明した後、生徒や保護者からの質問に応じた。午前、午後の部とも、休憩をはさむことでインタビューする職業を変えられるスケジュールになっていたが、パイロットや客室乗務員を志望する生徒の中には、最初から最後まで同じ職種の話を聞く人の姿もあった。
パイロットへの質問では、難易度の高い空港はどこかなど、操縦に関するものから、就職に有利な大学の学部など、今後の進路と密接な関係のあるものまで、多岐にわたった。
女性中心の職場である客室乗務員へは、結婚や出産後の勤務や乗務時の髪型など、職場の働きやすさなどに対して関心が高かった。また、異業種から空港係員へ転職し、現在は教育係と現場を兼務する社員は、正しい日本語を話すことの大切さや、自身が経験した言葉遣いを直す大変さを生徒に語りかけていた。
生徒の質問に応じたボーイング787型機の副操縦士、橋重利さんは「パイロットは健康管理が大切なので、この仕事を目指すには体力作りが大事です」と話していたが、特に保護者からは、より具体的な勉強方法などを質問されていた。
イベント後、橋さんに話を聞くと「勉強も大事ですが、まずは丈夫な体とコミュニケーション能力です」と、健康管理の重要性を力説した。
整備士の木村潤さんは、「自分が小さいころは整備士という仕事を知らなかった。こうしたイベントで航空業界のいろいろな職種を知って欲しいです」と話し、参加した4人の社員が全員、今後もこうしたイベントを開いて欲しいと感想を語った。
今回インタビューが行われた4つの職種で、4人の社員が異口同音に生徒へアドバイスしていたことは、コミュニケーション能力の大切さだった。チームワークが求められる職種ゆえ、単に能力が秀でているだけではなく、一緒に円滑な仕事ができる仲間が求められているようだった。
将来の職業を考える際、どうしたら就きたい職種にたどり着けるかに目が行ってしまいがちだが、体調管理やコミュニケーション能力といった、社会人として基本的な部分がもっとも重要視されるようだ。
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