ボーイングは現地時間5月9日(日本時間10日)、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)を中核とするルフトハンザ・グループが次世代大型機777Xの貨物型「777-8 Freighter(フレーター)」を7機発注したと発表した。欧州の航空会社からの777-8F受注は初めてで、2027年から受領する。また、ルフトハンザは現行の大型貨物機777Fと中型旅客機787-9を追加発注した。
777-8Fは、2機種ある777Xのうち777-8を基にした大型貨物機で、航続距離4410海里(8167キロ)、胴体長70.9メートル、最大積載量(ペイロード)は118トン。747-400Fとほぼ同等の積載能力を持ち、燃費や排出ガス、運航コストを30%改善したもので、今年1月31日に発表した。これまでの確定発注は34機で、量産初号機は2027年にカタール航空(QTR/QR)へ引き渡される見込み。
ルフトハンザは、777Xをローンチカスタマーの1社として777-9を20機確定発注済み。今回の契約で、777Xの旅客型と貨物型を発注したことになる。777-8Fの受領開始までの間、貨物輸送能力を拡大するため、従来型となる777Fを2機追加発注した。
ボーイングは4月27日に、777Xの引き渡し開始を2年遅らせ、2025年に初号機を納入すると発表。一方で777-8Fの納期に関する言及はなかった。
中型旅客機の787-9は7機の追加発注で、777-9の納入遅延に伴う輸送力不足を補うもの。今回の契約でルフトハンザの787の確定発注は32機になった。ルフトハンザによると、今回発注した787-9は、他社向けに発注されていた機体を2025年から2026年にかけて受領するという。
ルフトハンザ・グループは、2030年までにネットワーク全体のCO2(二酸化炭素)排出量を半減させる目標を掲げている。新型機の導入により、燃費向上や運航コスト削減につなげる。
ルフトハンザはコロナ影響下の2021年5月にも787-9を追加発注。この時に発注した5機は、他の航空会社が発注して製造済みながら、コロナの影響で未納入となっているもの。777Fも追加導入し、2021年末までにルフトハンザ・カーゴ(GEC/LH)の777Fは11機となった。グループの貨物機はドイツポストと合弁で設立した貨物航空会社アエロロジック(BOX/3S)の機体も合わせると15機体制に拡大した。
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