日本航空(JAL/JL、9201)は5月6日、2022年3月期通期連結決算(IFRS)の最終損益が1775億5100万円の赤字(21年3月期は2866億9300万円の赤字)になったと発表した。2021年3月期に続き2期連続の最終赤字となったが、赤字幅は約1091億円圧縮した。今期(23年3月期)の通期連結業績予想は、450億円の最終黒字を見込む。JALの赤坂祐二社長は「こういう状況ではあるが、2期連続(赤字)の結果は極めて重く受けて止めている。不退転の決意で今期の黒字化を達成したい」と、3期ぶりの通期黒字化への決意を語った。
—記事の概要—
・22年3月期
・23年3月期予想
22年3月期
2022年3月期の売上収益は前期比41.9%増の6827億1300万円、本業のもうけを示すEBIT(利払い・税引き前損益)は2394億9800万円の赤字となった。
営業費用は9402億円(前期比6.2%増)。このうち燃油費は1454億円(同50.3%増)、整備費は691億円(同18.8%増)、人件費は2457億円(同3.6%減)だった。
JALは営業費用のうち、科目上は固定費となる機材費、人件費、その他の費用の3つを「実質固定費」と定義し、年間5000億円レベルに抑える目標を掲げている。通期の実質固定費は4657億円で、当初見通しから343億円削減した。
3月末時点の現預金は4942億円。自己資本比率は33.7%で、前期末から11.2ポイント低下した。
23年3月期予想
2023年3月期の通期業績予想は、売上収益が1兆3900億円、EBITは800億円の黒字、純損益は450億円の黒字と2020年3月期以来3期ぶりの通期黒字を見込む。
国際線の旅客需要は年度平均でコロナ前の45%程度、国内線は90%程度に回復を見込んでいる。為替レートは1米ドル120円、燃油の市場価格はシンガポール・ケロシンで1バレル120米ドルを想定している。
JALは2021年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を適用。全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、日本基準で決算を発表している。
関連リンク
日本航空
JAL
・JAL、GWのハワイ便滑り出し好調 2年ぶり1日600人超え(22年4月29日)
・風に乗って世界一周 特集・JALはなぜ欧州発だけ南回りなのか(22年4月13日)
JAL決算
・JAL、21年4-12月期赤字もキャッシュバーン解消 10-12月期は7四半期ぶり黒字(22年2月2日)
・JAL、国内8割・国際4割回復で黒字化も 21年3月期は最終赤字2866億円(21年5月8日)
ANA決算
・ANA、23年3月期は黒字転換へ 芝田HD社長「着実に回復の兆し」(22年4月28日)
・777Xや787納入遅延、芝田ANAHD社長「バッファー持たせている」特集・コロナ回復期のANA機材戦略(22年4月30日)
【お詫びと訂正】
記事初出時に第1段落の記載内容に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。本文は訂正済みです。(22年5月7日 09:43 JST)