仙台空港を運営する仙台国際空港会社は4月26日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で運休が続いている国際線について、10月30日開始の冬ダイヤから航空各社が再開できるよう準備を進めていると発表した。国際線出発ロビーに非接触の自動チェックイン機を5台導入し、これまでは各社が別々に構えていたチェックインカウンターを大規模空港と同様に共用化することで、柔軟な運用に対応できるようにした。
—記事の概要—
・冬ダイヤ視野に受入準備
・国内線も回復傾向
冬ダイヤ視野に受入準備
コロナ前は出発時刻順にタイ国際航空(THA/TG)のバンコク線、アシアナ航空(AAR/OZ)のソウル線、中国国際航空(エアチャイナ、CCA/CA)の上海線と大連・北京線、エバー航空(EVA/BR)の台北線、タイガーエア台湾(TTW/IT)の台北線が乗り入れていたが、2年1カ月にわたり運休が続いている。
空港会社の岡﨑克彦・航空営業部長は「入国制限の緩和などは国が決めることではあるが、航空会社が運航を再開する際の受入態勢は今から準備しないと間に合わない」と述べ、現在の1日当たり1万人の入国枠が緩和され、観光客の受け入れが再開された際、すぐに対応できるようにしているという。
岡﨑氏によると、コロナ前は台北からの観光客が多かったといい、感染拡大が続く中国以外から早期再開を目指す。2019年10月に2014年3月の運休以来5年7カ月ぶりの再就航したバンコク線については、「台北からの訪日客よりも滞在日数が長い傾向にあり、青森や秋田も訪れている人が多い。東北経済の活性化につなげたい」と、台北やソウルの再開後はバンコクも実現したいとの考えを示した。
これまで航空会社ごとに設けていた国際線のチェックインカウンターは、全面運休を逆手に取り3月までに航空会社のロゴを外すなどの原状回復を行い、10月以降の再開を視野に共用化した。成田など大規模空港では拠点を置く航空会社などを除いて各社が時間借りで使う共用カウンターが主流となっており、仙台も今後の新規就航などをにらんで柔軟性を持たせた。
国内線も回復傾向
国内線の現状については「金曜から日曜の需要は戻った。火曜から木曜はまだ弱いものの、修学旅行が復活している」(岡﨑氏)と、徐々に回復しているという。
国内線のチェックインカウンターはフジドリームエアラインズ(FDA/JH)のカウンターなど一部をすでに共用化しており、スプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)が4月に成田から臨時便を運航した際は、共用カウンターを割り当てた。
また、空港会社では掃除ロボットと警備ロボットを新たに導入。省力化や清掃、消毒、警備の頻度向上にもつなげており、PBB(搭乗橋)への空調・換気設備の設置など空港全体で感染防止対策を進めている。
*写真は11枚。
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