日本航空(JAL/JL、9201)のエアバスA350-900型機の16号機(登録記号JA16XJ)が4月25日午前、仏トゥールーズから羽田空港に到着した。JALのA350新造機のフェリーフライトでは初めてロシア領空を迂回(うかい)して中央アジアなどを飛行する「南回り」で日本に到着した。初便は未定となっている。JALはA350-900を18機確定発注しているが、16号機で国内線への投入は一段落し、通算17機目は長距離国際線機材で長胴型のA350-1000を初受領する見通し。
JALのA350-900は国内線機材で、ボーイング777型機の後継機として2019年9月1日に就航。次の引き渡しは2023年度に就航を予定している長距離国際線機材A350-1000の初号機となる見込みで、777-300ERの後継機として13機発注している。
16号機はエアバスの最終組立工場がある仏トゥールーズで現地時間21日(日本時間22日)に引き渡された。フェリーフライトの便名はJL8102便で、トゥールーズを24日午後2時15分に出発して同35分に離陸し、羽田のB滑走路(RWY22)へ25日午前10時31分に着陸。同40分に212番スポットへ到着した。
16号機の客室仕様は「X12」と呼ばれる3クラス391席仕様(ファーストクラス12席、クラスJ 56席、普通席323席)。標準の3クラス369席(ファーストクラス12席、クラスJ 94席、普通席263席)の「X11」と比べて普通席が多く、観光需要が見込める路線や繁忙期などに適している。X11仕様機もX12に短時間で変更でき、初号機(JA01XJ)と3号機(JA03XJ)が改修済み。新造時にX12仕様で納入された14号機(JA14XJ)と15号機(JA15XJ)を合わせると、16機中5機がX12仕様になった。
1つ前の15号機は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まる前の2月17日に羽田へ到着。21日の羽田発那覇行きJL903便が初便となった。今回の16号機到着で、JALが導入を進めてきた低燃費・低騒音で環境性能が高いA350-900とボーイング787-8型機の国内線導入は一服した。
*写真は8枚。
15号機
・JAL、ワンワールド塗装A350就航 391席仕様(22年2月21日)
・JALのA350、初のワンワールド塗装機が羽田到着 2/21那覇行きが初便(22年2月17日)
写真特集・初回Cチェック迎えたJAL A350-900
前編 主脚扉裏にはステップ
後編 グレーの普通席、布を外すと赤だった
特集・就航2周年を迎えたJAL A350
・トイレのロック表示もひと工夫
A350とCA現行制服
・国内線の新主力機 写真特集・JAL 11代目CA新制服とA350-900
写真特集・JAL A350-900
(1)ファーストクラスはゆとりある個室風
(2)クラスJは新レッグレストで座り心地向上
(3)普通席も全席モニター完備
(4)大型モニター並ぶコックピットや落ち着いたラバトリー
初便就航
・JAL、A350就航 植木会長「静かな機内、こだわりのシート」(19年9月1日)
特集・JAL A350初号機受領
離陸編 翼を振りトゥールーズをフライパス(19年6月15日)
デリバリー編 鶴イメージしたバレエでお披露目(19年6月15日)
13年に契約
・日航、A350で777置き換え 777X採用ならず(13年10月7日)