全日本空輸(ANA/NH)は、羽田空港の格納庫内で整備作業を見学できる「機体工場見学」の内容をリニューアルし、4月4日から「ANA Blue Hangar Tour(ANAブルーハンガーツアー)」として再開する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、2020年3月1日を最後に翌2日から一時休止していたが、2年1カ月ぶりの再開となる。新たなエリアとしてANAグループの整備部門「e.TEAM ANA」の体験型見学施設を加え、ボーイング787型機の垂直尾翼の実物大模型を展示し、実際の工具や部品に触れることができる。受付開始は3月29日からで、28日は報道関係者に公開した。
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ANAの機体工場見学は、新整備場地区に機体を7機格納できる第1格納庫が完成した1993年9月にスタート。これまでに累計約120万人が訪れ、コロナ前は年間約7万人が見学していた。
工場見学のリニューアルはコロナ前から準備が始まったものの、2020年4月の正式オープン前にコロナ影響で見学の受け入れが一時休止となり、2年後ろ倒しで新施設のオープンが決まった。
ツアーは1時間30分で、ツアーガイドが案内。出発前の説明や映像の視聴が約30分、格納庫で機体の整備作業を間近で見学するのが約1時間で、新施設は格納庫見学の前後30分ずつ自由に見学できる。
新施設はかつて社員向け体育館だった場所を改修し、広さは約541平方メートル。タイヤ点検など整備各部門の作業を体験したり、工具や部品に触れられる。展示内容は整備士たちから出たアイデアを基に、テーマパークや遊園地の空間設計などを手掛けるムラヤマが監修し、新たな見学施設として完成させた。
また、国家資格である一等航空整備士を取得までの過程など、整備士になるための道のりや、ANAグループで7人しかいない「グループマイスター」といった制度も説明している。
施設内には、国際線ビジネスクラスのフルフラットシートも設置。モニターやリクライニングなど電動部分も稼働するようにした。また、787の胴体で使われているCFRP(炭素繊維強化複合材)の窓部分をはじめてくりぬいたものなど、貴重な資料も展示している。
対象は小学生以上で、平日の午前9時30分から午前11時、午後1時30分から午後3時の1日2回開催。当初は1回当たり最大24人の参加に限定する。国が土地を持つ地区で実施するため、料金は無料。
予約は開催1カ月前から受け付け、再開初日4月4日分は3月29日午前9時30分から受け付ける。ツアーガイドの女性は「感染対策でお願いすることもありますが、精いっぱいがんばりますのでご来館お待ちしています」と話していた。
また、ANAは今回リニューアルする格納庫見学とは別に、自社の総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB、ANAブルーベース)」で、航空会社の仕事や訓練を体験できる「ANA Blue Base Tour」も有料で開催している。
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全日本空輸
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