夏ダイヤ初日の3月27日、三沢空港で三沢市など地元関係者と日本航空(JAL/JL、9201)が羽田空港の発着枠獲得に向けて決起集会を開き、乗客に記念品を手渡した。国土交通省が配分する羽田空港国内線の「政策コンテスト枠」獲得を目指す取り組みで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による需要減少などを考慮し、前日26日まで1年間実施されたトライアル期間が1年延長となり、2023年3月までの実績でJALの羽田-三沢線か、スカイマーク(SKY/BC)の下地島線のいずれかに最終的な配分が決まる見込み。
JALの羽田-三沢線は1日3往復だったが、2020年5月に審査結果が発表された政策コンテストで、羽田発着枠が1枠配分されたことから1往復増便。現在は臨時便を除くと1日4往復運航している。機材はボーイング737-800型機(2クラス165席)と、グループのジェイエア(JAR/XM)が運航するエンブラエル190(E190、2クラス95席)型機を投入している。
政策コンテスト枠は、地方自治体と航空会社が共同で地方路線の利用者を増やすアイデアを出し合い、優れた提案に羽田の国内線発着枠を計5枠配分するもの。7空港が応募し、鳥取と石見、山形、大館能代の上位4空港に1枠ずつ配分されたが、得票数が3票差と僅差だった5位の三沢と6位の下地島の2空港は、トライアル運航の実績を有識者が再評価して最終決定することになった。
2年目のトライアル期間は27日から2023年3月25日まで。三沢市の小檜山吉紀市長は、3月16日夜に起きた福島県沖を震源とする地震の影響で、東北新幹線の一部区間が不通になり、JALなどが東北方面の臨時便を運航していることに触れ、「地震が起きたことは残念だが、飛行機の利便性や安全性をアピールする結果にもなった」と述べ、新幹線の復旧後も羽田-三沢線の需要喚起に地元として取り組む姿勢を示した。
JALでコンテスト枠獲得に携わってきた青森支店の安井勝一支店長は「(下地島空港に)絶対負けられない戦いがこれから始まる。チーム三沢としてしっかり取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
沖縄県の下地島空港でも、宮古島市の座喜味(ざきみ) 一幸市長や空港を運営する下地島エアポートマネジメントの伴野賢太郎社長、スカイマーク 洞駿(ほら・はやお)社長らが発着枠獲得に向けて決意を新たにした。
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