全日本空輸(ANA/NH)は3月7日、欧州路線の運航計画を発表した。ロシア・ウクライナ情勢の影響により、11日から15日までの5日間で計画していた臨時便を含む7路線46便のうち、24便を欠航する。このうち旅客便は22便で、約1170人に影響が出る見通し。帰国需要に合わせ設定する関西と中部への臨時便は、期間中の2便ともに計画通り運航。欧州便はロシア領空を迂回(うかい)し、アジア中央部を飛行する「南回り」ルートを選択する。
旅客便のうち、11日から15日までの期間中に計画通り運航するは、成田-ブリュッセル線(NH231/232、NH237/238)、臨時便のブリュッセル発中部行きNH1928便とフランクフルト発関西行きNH1926便。一部運航するのは羽田-フランクフルト線(NH203/204、NH223/224)、全便欠航するのは羽田-ロンドン線(NH211/212)とパリ線(NH215/216)となる。
期間中に計画していた定期便は、羽田発着のロンドンとパリ、フランクフルトの3路線と、成田-ブリュッセル線、貨物専用便の成田-フランクフルト線の計5路線。臨時便のブリュッセル発中部行きとフランクフルト発関西行きは、年度末の帰国需要に合わせて設定した。
ブリュッセル
ワクチン輸送も担う成田-ブリュッセル線は、成田発の旅客便を5日間5便すべて運航。ブリュッセル発は、計画している12日から15日までの旅客便1便ずつ計4便をすべて運航する。
成田発ブリュッセル行きの飛行時間は、ロシア領空を飛行する通常ルートの場合約12時間、南回りでは約15時間30分で、3時間30分程度長くなる。成田行きは通常ルートが約11時間、南回りが約13時間で、2時間程度長くなる。
フランクフルト
旅客便の羽田-フランクフルト線は、1日2便のうち1便目のフランクフルト行きNH203便と、羽田行きNH204便を12日を除き4日間運航。14日を除き11日から15日まで予定していた2便目のNH223/224便は、12日のみ運航する。
貨物便の成田発フランクフルト行きは、期間中は14日のみ運航を予定しており、計画通り運航する。フランクフルト発成田行きは11日から15日まで、運航計画がない。
臨時便と欠航2路線
臨時便のブリュッセル発中部行きは11日に、フランクフルト発関西行きは14日にそれぞれ1便ずつ、計画通り運航する。
羽田-ロンドン線は旅客便で4往復、貨物便で1往復を計画していたが、15日まですべて欠航。羽田-パリ線は旅客便3往復を15日まですべて欠航する。
日本航空(JAL/JL、9201)は3月4日に、欧州路線を当面は羽田-ロンドン線のみ運航すると発表。ロシア領空を迂回してアラスカ上空などを飛行する「北回り」で運航し、欠航となるパリ、フランクフルト、モスクワ、ヘルシンキ線の利用者は、ロンドンからブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)などの便に乗り継いでもらう。飛行時間は通常のロシア領空飛行時と比べて最大4時間半多くかかり、約16時間になる(関連記事)。
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全日本空輸
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