北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)は11月9日、仏ATR製ターボプロップ機ATR42-600型機の3号機(登録記号JA13HC)を就航させた。全3機が拠点の札幌・丘珠空港に8日そろい、9日の就航で2020年に始まった機材更新が完了した。HACが機材を更新したのは、1998年の就航以来初めて。
丘珠空港を出発するHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便を見送る武村栄治社長と社員ら=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
HACは日本航空(JAL/JL、9201)のグループ会社。3号機の外観は、JALグループが加盟する航空連合「ワンワールド・アライアンス」の特別塗装で、ATR機へのワンワールド塗装は世界初となった。
1998年3月に就航したHACは、サーブ340B型機(1クラス36席)を3機運航してきたが、22年ぶりの新機材として同数のATR42(同48席)に置き換えた。初号機が2020年4月12日に、2号機(JA12HC)は今年4月20日に就航し、9日に3号機が就航してHAC初の機材更新が完了した。最後まで残ったサーブの2号機(JA02HC)は整備の都合などで当面運航し、12月27日のチャーターフライトで退役する。
3号機の初便となった9日の丘珠発函館行きJL2743便は、乗客45人(幼児なし)を乗せて丘珠空港の2番スポットから午前9時29分に出発し、同35分に離陸。函館には午前10時16分に到着した。朝の函館行きとあってビジネスマンが多く、HACの武村栄治社長と客室乗務員が丘珠で乗客に記念品を手渡した。
その後は函館発奥尻行きJL2891便、奥尻発函館行きJL2890便、函館発丘珠行きJL2742便、丘珠発利尻行きJL2883便、利尻発丘珠行きJL2882便の計6便に投入を予定している。
武村社長は、「コロナの影響により7カ月遅れで機材更新を完了した。機内は広く静かで快適で、高翼機なので景色がよく見える。燃費も良く、ジェット機の40%から半分程度の燃料で同じ距離を飛べる」とアピールした。
緊急事態宣言解除後の搭乗率は10ポイント程度改善し、60%前後まで戻ってきたという。「座席数がサーブ340Bと比べて約3割増えており、まずは定期便をしっかりやっていきたい」と述べ、増便や路線網の見直しなどは2022年3月に始まる夏ダイヤに向けて検討していきたいという。
*写真は16枚。
丘珠空港を離陸するHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港で出発を待つ就航日を迎えたHACのATR42-600 3号機=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港で初便出発を待つHACのATR42-600 3号機=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港で初便出発前のATR42-600 3号機の前で写真撮影に応じる横断幕を手にしたHAC社員と空港関係者=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港でATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便の乗客に記念品を手渡すHACの武村栄治社長(左)と客室乗務員=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港でATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便の乗客に記念品を手渡すHACの客室乗務員(右)と武村栄治社長=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港で出発を待つHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便に搭乗する乗客=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港で出発を待つHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便に搭乗する乗客=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港で出発を待つHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便(手前)と最後のサーブ340Bとなった2号機による函館発JL2740便=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港を出発するHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港を出発するHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便を見送る社員ら=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港を出発し滑走路へ向かうHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港を出発し滑走路へ向かうHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便(奥)と年内で退役する最後のサーブ340Bとなった2号機=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港を離陸するHACのATR42-600 3号機初便となった函館行きJL2743便=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
丘珠空港を離陸し函館へ向かうHACのATR42-600 3号機初便となったJL2743便=21年11月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関連リンク
北海道エアシステム
ATR 日本語版ウェブサイト
丘珠空港に3号機到着
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写真特集・HAC ATR42-600初号機丘珠到着
前編 22年ぶり新機材
後編 サケや利尻昆布で北海道を表現