ANAホールディングス(ANAHD、9202)は11月5日、航空機による人工衛星の打ち上げを手掛ける米ヴァージン・オービット(カリフォルニア州)と、日本国内での航空機を利用した人工衛星打ち上げ事業の展開に向けて基本合意書を締結したと発表した。ヴァージンが提携する大分空港を視野に、2022年以降の打ち上げを目指す。
基本合意は10月20日付で、人工衛星の打ち上げ用に改修したボーイング747-400型機(登録記号N744VG)を使い、高度約10kmでロケットを航空機から切り離して打ち上げる。両社は2019年6月に提携を発表しており、日本国内での事業化に向けて具体的な協議を進めるという。
地上からの打ち上げと異なり天候による打ち上げ時期の調整が減少し、地上から垂直に打ち上げるよりもロケットに必要な燃料が少なくなるという。
ANAHDは、事業展開に必要な国内での許認可取得やロケットの衛星搭載スペースの販売、宇宙港で使う地上支援機材の手配や輸送、ファイナンスの組成などを担う。衛星搭載スペースの販売は国内独占販売権を取得し、傘下の全日空商事と協業する。
日本からの打ち上げは、大分空港を宇宙港として活用を検討。ヴァージン・オービットは同空港と提携しており、2022年以降10年間で20回の打ち上げを目指す。
関連リンク
全日本空輸
Virgin Orbit
大分県
・ヴァージン、大分空港を宇宙港に ジャンボで人工衛星打ち上げへ(20年4月6日)
・ANAHD、ヴァージン・オービットと提携 747で人工衛星打ち上げ(19年6月7日)