全日本空輸(ANA)は7月24日、ボーイング787型機に搭載されている航空機用救命無線機(ELT)について、国内線用機材からの取り外しを始めた。25日には作業を終え、手動のELTのみで運航する。
ロンドンで現地時間12日にエチオピア航空(ETH)の787-8(登録番号ET-AOP)で起きた火災を受けての対応。出火原因について、英国航空事故調査局(AAIB)がELTの二酸化マンガン・リチウム電池が原因となった可能性が高いとの報告書を公表している。
ANAでは発生直後に機体の点検、19日からはELTの自主点検を行っており、これまでに不具合は見つかっていないが、追加措置として実施する。
国際線用機材は、国際民間航空機関(ICAO)や就航国の規定により取り外せないため、当面はELTの点検で対応。ANAによると、ボーイングからはELTの点検と取り外しは、同等の安全性が確保できるとの見解を得ているという。
国際線で787を運航している日本航空(JAL、9201)も、ELTの点検で対応する。
ANAとJALは、ELTについて米国連邦航空局(FAA)による耐空性改善命令(AD)や、国土交通省航空局(JCAB)が耐空性改善通報(TCD)を出した場合、これに従った対応を行うとしている。