日本航空(JAL/JL、9201)は11月1日、羽田-広島線の機材大型化に伴い、旬を迎える広島県産カキの首都圏への空輸を強化した。昨年に続いて佐川急便と連携し、「空飛ぶカキ」として県産品のブランド価値向上を支援していく。
JALは広島を午後1時10分に出発する羽田行きJL258便など、一部便を今日から大型化。小型機のボーイング737-800型機(2クラス165席)から中型機の767-300ER(2クラス252席/261席)に変更している。空輸により、トラックなどの陸送と比べて首都圏までの輸送日数を1日短縮できるという。
水揚げ翌日には東京の豊洲市場に並ぶことから、鮮度の高さで広島県産カキの競争力強化につなげる。JAL広島支店の和田保治副支店長は「(緊急事態宣言下の)9月までは旅客が少なく小型化していたが、旬を迎えるカキの輸送を強化するため昨年に続き大型化した」と述べ、他県で新幹線を活用する動きがあることから、地域の課題解決として出荷のピークに合わせた大型化を2年連続で実施することになった。
JALでは空輸する商品に貼るロゴマークを用意し、新鮮さのアピールを支援していく。1日の場合、1日8往復を計画している羽田-広島線のうち早朝の1往復を減便して7往復運航し、昼の2往復を767に大型化した。
広島市内でカキを中心に水産品の卸を手掛けるカネウの村田泰隆社長は、「広島のカキは全国生産量の6割を占めるが産地間の競争が激しく、スピードは味方。航空便はありがたい」と話した。村田社長によると、これから水温が下がるとさらにうま味が増すといい、栄養価の高いカキを新鮮なまま首都圏に届ける。
今年7月に民営化された広島空港を運営する広島国際空港会社(HIAP)も、ターミナル内でカキを購入したり食事すると旅行券などが抽選で当たるキャンペーンを30日まで展開している。
*写真は10枚。
20年に1回目
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