エアバス, 企業, 機体 — 2021年10月27日 06:27 JST

エアバス、月面探査スタートアップispaceに投資

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 エアバス・ベンチャーズは10月26日、民間月面探査事業に取り組む宇宙スタートアップ企業ispace(アイスペース、東京・港区)に投資すると発表した。最初のミッションとして、同社が開発した月面ランダー(着陸船)を、スペースX社のファルコン9により2022年後半に打ち上げを予定している。

環境試験を実施するispaceの月面ランダー(同社提供)

 ispaceは、ロボット月面探査レース「グーグル・ルナ・エックスプライズ(Google Lunar XPRIZE)」で最終選考に残った月面ローバー(探査車)の開発実績を基に、月面ランダー「シリーズ1」による初の月面着陸を目指している。ランダーは日本で設計したもので、現在が欧州で最終組立が進んでおり、米国で打ち上げられる。

 最初のミッションでは、月面ランダーでJAXA(宇宙航空研究開発機構)やアラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)、日本やカナダの民間企業の物資を運ぶ計画となっている。ispaceは2023年までに2回実施する月面探査ミッションを統括するプログラムを「HAKUTO-R」と名付けており、史上初の民間企業による月面探査となる。

 ispaceによると、今回のエアバス・ベンチャーズによる投資を含めるとこれまでに総額約218億円(約2億ドル)を調達し、今後の打ち上げなどに充てるという。

 エアバスのベンチャーキャピタルであるエアバス・ベンチャーズはシリコンバレーに本社を、日本と仏トゥールーズにオフィスを設置。航空宇宙産業に影響を与える世界中のスタートアップ企業に投資している。

関連リンク
ispace
Airbus

JAL、民間月面探査「HAKUTO-R」支援 月着陸船、20年半ば打ち上げへ(19年2月22日)
JAL、HAKUTO月着陸船の組立開始 成田のエンジン整備工場で(18年10月4日)
月面探査機「SORATO」、JAL便で日本出発 月から高画質画像を送信、早さ競う(17年12月19日)
JAL、HAKUTO運営の宇宙スタートアップ出資(17年12月13日)
JAL、未来考える育成プログラム 子供向け、第1弾はスーパームーン観賞(16年11月15日)
JAL、月面探査機の整備支援 世界初の民間探査目指す(15年10月22日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post