ロンドンのヒースロー空港で7月12日(現地時間、以下同)、駐機中のエチオピア航空(ETH)のボーイング787-8型機(登録番号ET-AOP)で起きた火災について、英国航空事故調査局(AAIB)は18日、航空機用救命無線機(ELT)が出火原因となった可能性が高いとの報告書を公表した。
ELTは航空機が墜落や遭難時に遭難信号を発報するもの。報告書によると、当該機のELTはハネウェル・インターナショナル製「RESCU 406 AFN」。これまでに約6000個製造されており、787専用の無線機ではない。機体後部の上側で広範囲に激しい熱損傷が見られており、この付近にはELT以外に火元となる可能性のあるシステムはないという。
同ELTは二酸化マンガン・リチウム電池を搭載しており、機体の電源システムとは無関係に作動する。報告書では、ELT付近で出火する要因としてバッテリー内での放電や外部要因によるショートなどが考えられるとしているが、現時点では明らかになっていないとしている。