川崎重工業(7012)は7月11日、英ロールスロイスと新型エンジン2機種の共同開発事業にリスク・アンド・レベニューシェアリングパートナー(RRSP)として参画する契約を結んだと発表した。中圧圧縮機(IPC)モジュールの設計や製造、組立を担当する。
共同開発する新型エンジンは、ボーイング787型機用エンジン「トレント1000」(推力7万4000ポンド)の燃費・推力向上型「トレント1000-TEN」(推力7万6000ポンド)と、開発中のエアバスA350 XWB型機に搭載される「トレントXWB-84」(推力8万4000ポンド)の燃費・推力向上型「トレントXWB-97」(推力9万7000ポンド)の2機種。
トレント1000-TENは、6月のパリ航空ショーでローンチした787-10(300から330席)を含む787全シリーズでの搭載が決定している。
A350用のトレントXWB-97は、トレントXWB-84がA350-800(250席クラス)とA350-900(300席クラス)向けであるのに対し、同シリーズ最大のA350-1000(350席級)専用のエンジンとなる。
IPCモジュールは、エンジンを構成する8個の主要モジュールのひとつ。直径約1.5m×長さ約1.5m、部品数約4000点で構成され、神戸市にある西神工場の加工設備と組立システムで製造する。
ロールス・ロイスと川崎重工は、1959年に航空機用エンジン「オリフュース」のオーバーホールに関する技術提携契約を締結して以来、防衛省向け航空機用エンジン、旅客機用エンジン、舶用ガスタービンエンジンなどの幅広い分野で協力関係を構築している。
旅客機用エンジンの分野では、同社のボーイング747/767用「RB211」、エアバスA330用「トレント700」の事業にRRSP方式で参画以降、同社の大型旅客機用エンジン事業にすべて参画している。
RRSP方式は、エンジンや補用部品の販売・修理事業など、あらゆる収入を事業のシェアに応じて配分を受ける権利がある一方で、開発や量産、販売に関するすべての費用とリスクもシェアに応じて負担する契約方式。トレント1000-TENとトレントXWB-97は、三菱重工業(7011)もRRSPで事業に参画している。
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