シンガポール航空、新シートとIFE発表 777やA350に導入

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 シンガポール航空(SIA)は、現地時間7月9日、新シートなど機内装備を発表した。ファースト、ビジネス、エコノミーの全クラスを新仕様に一新した機体の初フライトは、9月にシンガポール-ロンドン線で予定している。

 新仕様の機内装備は、8機のボーイング777-300ER型機から導入を開始。エアバスが開発中のA350 XWB型機にも導入を予定している。SIAでは新機内装備の導入に、約1億5000万米ドル(150億円)を投じる。

 新デザインのシートや内装、機内エンターテインメント・通信(IFEC)システムを備えた新仕様機の増加に伴い、導入路線も拡大していく。IFECはパナソニック アビオニクス製「eX3」を採用した。

 担当したデザイン会社は、ファーストクラスがBMWグループの子会社デザインワークスUSA社、ビジネスクラスが英国とシンガポールを拠点とするJPA(ジェームズ・パーク・アソシエーツ)社、機内エンターテインメント(IFE)のインターフェイスをマッシブ・インタラクティブ社が担当した。SIAでは、人間工学や快適性、利便性、デザインにこだわったという。

シンガポール航空の新ファーストクラス(同社提供、ほかも同じ)

ファーストクラス

9

9月にロンドン線から就航する新仕様機のファーストクラス

 新ファーストクラスは、モダンで温かみがある個人空間を目指した。シートは背もたれが後ろに倒れないシェル型を採用し、流線形のサイドパネルを配したことで、個人空間を保った。シート幅は35インチ(88.9センチ)、ベッドの長さを80インチから82インチへ伸ばしたことで、旅客機では屈指のゆとりを持たせた。

 人間工学に基づいた形状のクッションや、調節可能なヘッドレストにも改良を加え、着席時の快適性を向上させた。サポート力を高めるヘッドボードや追加のマットレスなども新たに用意した。

 モニターは24インチのLCDスクリーンで、新IEFとなる次世代の「クリスワールド」を楽しめる。ビデオ・タッチスクリーン・タイプのハンドセットが採用された。

 客室乗務員が乗客の睡眠を妨げることなくモニターの電源を落とせるよう、シートにコントロールセットを配し、モニターを簡単に消せるスイッチを新たに組み込んだ。

 照明の専門家とともに検討した読書灯を備え、間接照明にも工夫を施すことで、機内の照明を落としたときの常夜灯の役目も果たすようにした。

 充電中も乗客がスマートフォンなどの電子機器を楽な姿勢で使えるよう、外部入力ポートとUSBポートはシート横に設置した革張りの収納ボックスに収めた。また、クリスワールドをメディアプレーヤーとして使えるよう、HDMIポートも用意した。

流線形のサイドパネルを配し個人空間を保った新ファーストクラス

ビジネスクラス

新ビジネスクラス

 新しいビジネスクラスでは、柔軟度や快適性、プライバシーを重視した。

 シートは132度までリクライニング可能で、人間工学に基づいたクッションを採用。就寝時は、業界最大幅で長さ78インチ(198センチ)のフルフラットベッドになる。また、パッドのあるヘッドボードを採用し、快適性を高めた。シートポジションは2種類。

 モニターは従来の15.4インチから大型化した18インチのLCDスクリーンで、ビデオ・タッチスクリーンのハンドセットや、オールインワンビジネスパネルには電源やUSBポート、外部入力ポート、HDMIポートを備える。

 新ファーストクラスと同様、ビジネスクラスのシートも間接照明やLCDモニターの電源スイッチなどを取り入れた。

 利用者からの要望に応え、アメニティなどの収納スペースも設置している。

18インチの大型LCDスクリーンを備えた新ビジネスクラス

リラックスした姿勢でくつろげる新ビジネスクラス

エコノミークラス

テーブルを出した状態の新エコノミークラス

 エコノミークラスの新シートは、従来よりも個々のスペースや足元にゆとりを持たせ、快適性を高めた。

 背面には新しいシートクッションなどを採用した。ヘッドレストクッションは人間工学に基づいて設計され、高さを調節できることで、首周りをサポートするようにした。

 モニターのサイズは既存の10.6インチから大型化して11.1インチ。タッチスクリーンを採用し、ビデオ・タッチスクリーンのハンドセットを備えた。

 SIAでは、既存機に搭載されている現行のクリスワールドも、新仕様機の次世代システムに今後置き換える予定。

足元にゆとりを持たせた新エコノミークラス

エコノミークラスのIFE画面

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