全日本空輸(ANA/NH)が駐機中の機体をレストランにするイベント「翼のレストランHANEDA」を6月に開いたボーイング777-300ER型機(登録記号JA779A)が7月13日午前、羽田空港を出発し売却先の米国へ向かった。フェリーフライトのNH9431便としてホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(旧称ホノルル国際空港)を経由し、カリフォルニア州のモハーヴェ(モハベ)空港が最終目的地となる。
ANAは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で国際線を中心に大幅な減便が続く中、社員の発案で駐機中の777-300ERを活用した翼のレストランを3月から開催。普段は長距離国際線を飛ぶ同機で機内食を楽しんでもらうイベントだった。
JA779Aは2007年4月に引き渡された機体で、座席数は4クラス264席(ファースト8席、ビジネス52席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー180席)。商業運航のラストは、現地時間3月28日にサンフランシスコを出発した成田行きNH7便で、乗客を乗せない貨物専用便だった。総飛行時間は5万9349.32時間、総飛行サイクルは6574サイクルで、旅客機は通常20年程度は使用される中、14年と比較的早期の退役になった。
羽田空港の805番スポットを午前8時54分に出発したJA779Aは、C滑走路(RWY34R)から午前9時3分に離陸後、翼を左右に振って別れを惜しんだ。コロナ影響による事業見直しで13機が退役する777-300ERのうち、JA779Aは最後から数えて2番目の機体で、ラストはJA780Aとなる。
ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、2022年度末の機材を最大280機とし、コロナ前の2019年度末比で約25機(8.3%)削減する。大型機777の退役前倒しや、導入予定機材の受領後ろ倒しにより、一時的に縮小する事業規模に合わせる。
*写真は6枚。
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