日本航空(JAL/JL、9201)は、羽田-石垣線にフルフラットシートを備えたボーイング777-200ER型機を、夏の繁忙期となる7月16日から8月31日まで投入する。JALが同路線に大型機の777を投入するのは初めて。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で海外旅行へ行くことが難しい中、国内で人気の渡航先である沖縄方面の需要を取り込む。777-200ERは今年3月まで中距離国際線に投入していた機材で、ビジネスクラスのフルフラットシートは国内線の中間クラス「クラスJ」として運用する。片道約3時間は、同型機が飛ぶ国内線でもっとも長いフライトになる。
羽田-石垣線は1日2往復で、7月中旬までは767-300ER(2クラス261席:クラスJ 42席、普通席219席)を中心に投入している。777-200ER投入初日の16日は、羽田午前9時20分発のJL971便は737-800(2クラス165席:クラスJ 20席、普通席145席)、羽田午後2時25分発のJL973便は777-200ER(2クラス312席:クラスJ 26席、普通席286席)で運航する。その後もJL973便と折り返しのJL974便に投入予定で、貨物を多く搭載できることから、石垣から沖縄県産の生鮮品なども運ぶ。
同路線をはじめ、JALグループで沖縄を拠点とする日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が運航する羽田-沖縄離島間の3路線は、3月27日までの冬ダイヤまでは便名がJTA便の「NU」だったが、夏ダイヤ初日の翌28日からJAL便の「JL」に統一。両社が乗客や貨物の荷主に対し、連帯して損害賠償責任などの運送責任を負う「共同引受」を開始したことによるもので、JALの機材を使った大型化が可能になった。
777-200ERは、東南アジアやハワイなど中距離国際線を中心に投入していた機材。ビジネスクラスのシートは2016年6月に登場した「スカイスイートIII」で、フルフラットシートを斜めに配置するヘリンボーン配列をJALでは初採用し、全席から通路へアクセスできるのが特徴で、横1列4席の1-2-1席配列となる。国内線に転用後は、ビジネスクラスのエリアを普通席に通常プラス1000円で乗れる「クラスJ」として販売しており、国内線でフルフラットシートを体験できるようになった。
JALは5機の777-200ERを国内線に転用しているが、2023年3月末までに全機退役させる計画で、2年間限定の運用となる。その後は777の後継機であるエアバスA350-900型機に国内線の大型機を統一する。
新型コロナの影響で航空需要は大きく落ち込んでいるが、JALは国内線の観光需要について2022年度にはコロナ前の水準に回復すると見込んでおり、人気の沖縄路線を強化することで需要回復に弾みをつける。
7月16日の運航スケジュール
JL973 羽田(14:25)→石垣(17:20)
JL974 石垣(19:00)→羽田(22:00)
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