6月10日午後7時に羽田空港を出発予定だった政府専用機B-777の任務機(機体番号80-1112)に不具合が発生し、午後8時の時点で予備機(80-1111)に搭乗者が乗り換えている。菅義偉首相は搭乗前だった。現在の政府専用機は2019年4月から運用しているが、首相らを乗せる「任務運航」の出発が機材トラブルで遅れたのは今回が初めて。先代のB-747-400では、少なくとも退役までの5年間に羽田空港を遅れて出発するトラブルは起きてない。
*機内照明に不具合。続報はこちら。
今回の政府専用機の運航は、G7コーンウォール・サミットに出席する菅首相を乗せ、10日午後7時に出発する予定だった。日本時間13日に現地を出発し、14日に羽田空港へ戻る日程になっている。
B-777は、民間機のボーイング777-300ER型機を改修した機体。2019年3月24日に交代式典が航空自衛隊の千歳基地で開かれ、年度が変わった4月から政府専用機として正式運用する体制になった。整備や教育の委託先も、従来の日本航空(JAL/JL、9201)から全日本空輸(ANA/NH)の親会社であるANAホールディングス(ANAHD、9202)に変わった。
ANAHDは、「機体の運航者は航空自衛隊なのでお答えできない」とコメントした。
午後8時20分の時点で前後のタラップが外れ、その後予備機は出発し英国へ向かった。
*写真は7枚。
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B-777
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【お知らせ】
写真を当日のものに差し替えました。(21年6月11日 07:25 JST)