エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2021年6月6日 14:13 JST

JAL、東京-ロンドン・パリ就航60周年 国際線回復は今秋見込む

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 日本航空(JAL/JL、9201)は6月6日、東京-ロンドン線とパリ線の就航60周年記念式典を羽田空港第3(旧称国際線)ターミナルで開いた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で乗客数は両路線とも50人を下回ったが、就航当時の3代目制服を着用した客室乗務員や現行制服の地上係員らが乗客に記念品を手渡した。

羽田空港でパリ線就航60周年の記念品をパリ行きJL45便の乗客に手渡す3代目制服を着用したJALの客室乗務員=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 60年前の1961年6月6日に、JALのロンドン経由パリ行きJL401便が羽田を出発。ダグラスDC-8型による週2往復の北回り欧州線で、当初は羽田からアンカレッジとコペンハーゲンを経て、ロンドン、パリの順に向かった。就航前の同年2月9日には、同じルートでDC-8による調査飛行を実施している。

 ロンドン線とパリ線とも、43年前の1978年5月20日に成田空港が開港後は成田へ移ったが、7年前の2014年3月30日から羽田発着便が復活した。

 現在は新型コロナの影響で、羽田-パリ線は週5往復、ロンドン線は乗客を乗せない旅客機による貨物専用便も含めて週10往復運航中。6日のパリ行きJL45便(ボーイング777-300ER型機、登録記号JA739J)は乗客43人(幼児ゼロ)を乗せて午前10時39分に113番スポット(駐機場)を出発し、ロンドン行きJL43便(787-9、JA882J)は乗客27人(幼児ゼロ)を乗せ112番スポットを午前11時16分に出発した。

 JL43便の787-9は、4月に引き渡されたばかりのもっとも新しい機体で、JALでは51機目の787。JAL本体が運航する787としては、同機が現時点で最終受領となる見込み。

羽田空港で就航60周年を迎えたJALのパリ行きに搭乗する乗客=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で開かれたパリ線とロンドン線就航60周年記念式典であいさつする路線事業本部のレゲット・ロス副本部長=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 羽田で開かれた記念式典で、JALの執行役員で路線事業本部副本部長を務めるレゲット・ロス氏は、「パリ線とロンドン線が就航60周年を迎えられたが、創立70周年の節目の年でもあり、公共交通機関としての責務を果たす。一日も早く以前のように過ごせるようになって欲しい」とあいさつした。

 レゲット副本部長によると、欧州路線は駐在員の利用が多くなっているといい、6日のパリ行きJL45便には、フランスのブラインドサッカーの選手団も乗っていった。

 今後の国際線旅客需要の見通しについては、「ワクチンが鍵を握る。旅行者のマインドが変わってくるだろう」(レゲット氏)と述べ、接種を終えた人の割合が増える秋ごろから需要が回復期に入ることへの期待感を示した。

 JALは、国際線利用者向けに新型コロナの無料補償サービス「JALコロナカバー」を9月30日まで提供。IATA(国際航空運送協会)が開発したスマートフォン用デジタル証明書アプリ「IATAトラベルパス(IATA Travel Pass)」など、PCR検査の陰性証明書を管理できるアプリ3種類を試験導入している。

*写真は18枚。

羽田空港の113番搭乗口前に展示されたJALの羽田-パリ・ロンドン線就航当時のポスター=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田-パリ線とロンドン線の乗客に配られた就航60周年の記念品=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で開かれたパリ線・ロンドン線就航60周年記念式典で記念撮影に応じる現行制服(左)と3代目制服を着用したJALの客室乗務員=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で開かれたパリ線就航60周年記念式典で記念撮影に応じる(左から)3代目制服を着用したJALの客室乗務員、ブリティッシュ・エアウェイズ/イベリア航空の井上さつき日本支社長、JALのレゲット・ロス路線事業本部副本部長、フィンエアーの永原範昭日本支社長、パリ行きJL45便の服部潔彦機長、現行制服を着用したJALの客室乗務員=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で就航60周年を迎えたJALのパリ行きに搭乗する乗客=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するパリ行きJL45便の777-300ER(中央)と出発を待つロンドン行きJL43便の787-9=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の112番搭乗口前に展示されたJALの羽田-パリ・ロンドン線就航当時のポスターやはっぴ=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で開かれたロンドン線就航60周年記念式典で記念撮影に応じる(左から)3代目制服を着用したJALの客室乗務員、ブリティッシュ・エアウェイズ/イベリア航空の井上さつき日本支社長、JALのレゲット・ロス路線事業本部副本部長、フィンエアーの永原範昭日本支社長、ロンドン行きJL43便の辰巳毅機長、現行制服を着用したJALの客室乗務員=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で就航60周年を迎えたJALのロンドン行きに搭乗する乗客=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で出発を待つ就航60周年を迎えたJALのロンドン行き=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発する就航60周年を迎えたJALのロンドン行き=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するロンドン行きJL43便のコックピットから手を振るパイロット=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発する就航60周年を迎えたJALのロンドン行き=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発する就航60周年を迎えたJALのロンドン行き=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発する就航60周年を迎えたJALのロンドン行き=21年6月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
日本航空

JAL、シアトル・LA・マニラ増便 6-9月国際線減便は7割超(21年6月2日)
JAL、IATAトラベルパス6月から実証実験 羽田-ホノルル線(21年5月27日)
JAL、国際線無料補償「コロナカバー」9月まで延長 濃厚接触者も対象(21年5月27日)
JAL、成田-釜山・高雄運休 シカゴなど開設延期(21年5月7日)
JALの787、51機目は羽田到着 長距離国際線仕様(21年4月24日)
JAL、羽田-ロンドン線開設 初便搭乗率77.2%(14年3月30日)