エアライン, 官公庁, 空港 — 2021年5月27日 11:00 JST

空港の搭乗手続き、コロナで長時間化 IATA、証明書の早期デジタル化要請

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 IATA(国際航空運送協会)は現地時間5月26日、各国政府が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陰性証明書やワクチン証明書といった健康証明書類の管理を早急にデジタル化しないと、空港が混乱に陥る可能性があると警告した。コロナ前は乗客が1回の旅行で保安検査や出入国手続きなどに約1.5時間要していたのに対し、現在は旅客需要が大幅に減少しているのに3時間かかるケースがあるという。国際線の旅客需要が回復した際には8時間かかる可能性もあるとし、早期のデジタル化を各国政府に求めている

IATAトラベルパスの画面を表示したスマートフォンを手にするANAの地上係員。IATAは旅客需要が回復する前に陰性証明の確認などをデジタル化する必要があると各国政府に訴えている=21年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 IATAの調べでは、空港でのチェックインや保安検査、出入国管理、手荷物受け取り、税関手続きに、コロナ前は乗客が1回の旅行で約1.5時間費やしていたという。コロナ後は旅客需要が約7割減少しているが、ピーク時は3時間まで延びているという。

 もっとも増加しているのは、チェックインと出入国管理にかかる時間で、陰性証明書など渡航者の健康証明書類が紙ベースであることが要因だとしている。

 IATAでは、紙ベースの現状が改善されない場合、旅客数がコロナ前の75%の場合、1回の旅行で空港での手続きにかかる時間はコロナ前と比べて3.7倍の5.5時間、コロナ前と同等まで旅客数が戻った場合は5.3倍の8時間かかる可能性があるとして、デジタル証明書を活用した自動化が急務だとしている。

 すでにスマートフォン用デジタル証明書アプリ「IATAトラベルパス(IATA Travel Pass)」を開発しており、シンガポール政府は5月から入国審査で渡航者が出発前に行ったPCR検査結果の確認に使用している。

 6月11日から英南西部コーンワルで開かれるG7サミット(主要7カ国首脳会議)で、IATAはデジタル証明書の活用などを各国に求めていくとしている。IATAのウィリー・ウォルシュ事務総長は、「G7がリーダーシップを発揮すれば、全旅行の約3分の1について旅行の自由をシームレスに回復できる」とコメントした。

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IATA

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