ボーイングのデビッド・カルフーン社長兼CEO(最高経営責任者)は、737 MAXの引き渡しを一時中断したことを明らかにした。コックピットで電気系統の不具合が見つかったためで、納入済みの機体では約100機が影響を受けるという。年内に納入機数の水準を戻せるようにする。
ボーイングは4月9日に、電気系統の問題が737 MAXの製造時に起きた可能性があるとして、運航する16社に一時的に運航を停止するよう勧告した。今回の不具合はこれとは別のもので、コックピット内2カ所の電気系統の改修が必要になるとみられる。カルフーンCEOは現地時間28日に、納入を中断していることを明らかにした。「FAA(米国連邦航空局)と最終調整を行っており、承認後は1機あたり数日の作業を予定している」と述べた。
昨年11月にFAAが737 MAXの引き渡し再開を承認し、ボーイングは航空会社などの顧客に85機以上を納入。21の航空会社が運航を再開した。引き渡し中断により、駐機中の機体は約400機にのぼる。
また、ライアンエア(RYR/FR)が発注している737 MAX 8の197席仕様「737 MAX 200」については、「先日当局の承認を得た。米国以外の残りの規制当局による承認は今年中に行われると想定しており、中国での承認は今年の下半期になる可能性が高いとみている」と語った。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
・737MAX、コックピットにも電気系統不具合(21年4月19日)
・737MAX、電気系統問題で運航停止 ボーイングが勧告(21年4月10日)
・FAA、737MAXの運航再開承認 納入再開も(20年11月19日)
・ライアンエア、737MAXを年内初受領へ 21年夏までに最大40機(20年7月28日)