エアライン, 機体 — 2021年4月7日 17:11 JST

HACのATR42、2号機が鹿児島到着 4月中旬にも丘珠へ

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 北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)のATR製ATR42-600型機の2号機(登録記号F-WKVF、日本登録後はJA12HC)が4月6日、仏トゥールーズからタイやフィリピンなどを経由して鹿児島空港へ到着した。7日に通関を終えた同機は検査などを実施後、今月中旬には札幌の丘珠空港へ到着する見込み。

鹿児島空港に到着したHACのATR42-600の2号機(同社提供)

 HACは丘珠を拠点とする日本航空(JAL/JL、9201)のグループ会社。ターボプロップ機のATR42は、1998年の就航当初から使用してきたサーブ340B型機(1クラス36席)の後継機で、これまでと同数の3機を導入して置き換えを進めており、座席数は1クラス48席と12席増えた。エンジンはプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製PW127Mを2基搭載し、コックピットはエアバスA380型機の技術を取り入れたグラスコックピットになっている。

 初号機(JA11HC)は2020年4月12日に就航。HACにとって1998年3月28日の運航開始以来、初めての機材更新となった。2号機は12月に受領したものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でATRの工場がある仏トゥールーズに駐機中となっていたが、現地時間4月1日午前11時55分に出発し、ドバイやバンコクなどを経由して鹿児島には6日午後1時29分に到着した。鹿児島の格納庫では、HACが整備を委託している同じくJALグループの日本エアコミューター(JAC/JC)が検査を数日かけて実施する。

 今回の経由地は7カ所で、ギリシャのイラクリオン国際空港、エジプトのシャルム・エル・シェイク国際空港、アラブ首長国連邦ドバイのアール・マクトゥーム国際空港、インドのアフマダーバード空港とナーグプル空港、タイのバンコク・ドンムアン国際空港、フィリピンのニノイ・アキノ国際空港(旧称マニラ国際空港)だった。

 初号機は北海道の特産品などを描いた特別塗装機だったが、2号機は通常塗装となる。残る3号機(JA13HC)も年内の受領を予定。サーブ340Bからの置き換えを終える見通し。

 サーブ340Bは、初の退役機となった3号機(登録記号JA03HC)は、2020年12月29日に退役。今後は初号機(JA01HC)が夏ごろ、2号機(JA02HC)が秋ごろに退役する見通しで、日本の航空会社が運航するサーブ340Bはすべて姿を消す。

新型コロナウイルスの影響でフランス国籍機として日本に到着したHACのATR42 2号機(同社提供)

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