米空軍は、最新複座戦闘機F-15EXの初号機をボーイングから受領した。現地時間3月10日に引き渡され、翌11日にフロリダ州のエグリン空軍基地へ到着した。空軍はF-15EXを144機調達し、F-15C/Dを置き換える。
F-15EXは米国専用の双発複座戦闘機で、空軍は平均使用年数が37年以上と老朽化したF-15C/Dの後継機として導入。パイロット1人でも運用でき、フライ・バイ・ワイヤ方式の飛行制御や新たな電子戦システム、最新のコックピットやミッションコンピューターなどを採用している。2020年4月に初飛行したカタール空軍向けF-15QAがもっとも近い機体で、フライ・バイ・ワイヤやデジタルコックピットなどを採用している。
アドバンスト・ディスプレー・コア・プロセッサーIIやオペレーション・フライト・プログラム・スイート9.1Xなどで構成するアドバンスト・ミッション・システム、1秒間に870億回の命令処理能力を持つミッションコンピューター、AESA(アクティブ・フェーズド・アレイ)レーダー、デジタル電子戦システム、12カ所の空対空兵器用ハードポイント、9Gでも戦闘能力を発揮できる機体の耐久性、メンテナンス性の向上などを特徴としている。
F-15EXは今年2月2日に初飛行。ボーイングの工場が隣接するセントルイス・ランバート国際空港を離陸し、約90分間の試験飛行を実施した。初号機はエグリン基地で試験を実施し、2号機は4月末までに同基地に納入される見通し。
第1ロットの残り6機は、2023年度にエグリン基地に引き渡され、運用試験を行う予定。第2ロットと第3ロットの機体は、2024年度と2025年度にオレゴン州のキングスレーフィールドとポートランド両基地に納入される予定で、キングスレーフィールドの第173戦闘航空団はF-15C/Dの訓練部隊として運用されており、F-15EXも同様となる見込み。ポートランドの第142戦闘航空団は、F-15EXの最初の運用部隊となる。
関連リンク
U.S. Air Force
Eglin Air Force Base
173rd Fighter Wing
142nd Wing
F-15EX(Boeing)
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